≪ことばの物語≫
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖伴食宰相〗ーばんしょくさいしょう
実力の伴わない無能な大臣のこと。
(おや、どこかに居そう)
無能な交歓職務を果たさない者のたとえで、ご相伴
にあずかってばかり。
※「伴食」は主客のお供をしてご馳走になること。
<唐の玄宗皇帝の時代。
盧懐愼(ろかいしん)という人格者で知られる者が
その評判で大臣に取り立てられました。
同格の有能な姚崇(きょうすう)という者が十日ほど
休暇を取った時、盧懐愼は政府の未解決事項を何
一つ処理することができず、書類は山ほどになって
しまいました。盧懐愼は人格者と言うだけで無能
の人でありました。
人は彼のことを「弁当を相伴する大臣」と呼ばわっ
たと。>
企業で「いい人」は、概してぶかを甘やかす人であっ
たりします。このような人は個々人に家庭を守るため
に仕事をしていることを忘れさせます。そして、企業
内乞食を作ってしまうんですね。
ビジネスの世界で「じんざい」を三種類に分けます。
人材ー材料ですね。使い捨て。(給与も安くて済む)
人財ー宝ですね。企業に財をもたらす人。
(財宝ですから、給与も高くないと手に入りま
せん。)
(「うちには人財がいなくてね」とぼやきます
それだけの投資をしてますか?)
人罪ーいてもらっては困る人。(おんぶにだっこで人を
困られる者・トラブルメーカーなど)
<仏教語>
〖天邪鬼〗ーあまのじゃく
わざと人の言葉に逆らって片意地を通す者として
使われますが、この邪気は仏教、日本神話、日本の
昔話の妖怪として、姿を現しています。
[仏教]
人間の煩悩を表す象徴とされ、もとは水神とされます。
毘沙門天の鎧の前の腹部や、執金剛、四天王に踏み
つけられた仏像で見受けられます。
毘沙門の鎧の前に鬼面あり。河伯面と
いう。これを仏師はカハヌという。
後に耐薫(あまのじゃく)と称する。
と仏典にあるそうです。
[日本神話]
『古事記』『日本書紀』なあるお話。
天探女(あめのさぐめ)は天稚彦(あめのわかひこ)に仕
える女神でありました。
天照大神が葦原中津国(この地上世界)を平定するた
めに天稚彦を第二陣として送りますが、八年たって
も復命しないので、鳴女(なきめ)という雉を送り「お前
は葦原中津国の神々を帰服させろと命じたのに、いま
だに復命しないのはなぜか」と天照大神の命を伝えさ
せようしますが、それを先に聞きつけた天探女は「この
鳥の鳴き声は不吉だ」と天稚彦につたえます。そこで、
天稚彦は弓矢で鳴女を射殺しますが、その矢が鳴女
を貫き天照大神の所まで届いてしまいます。
事態を知った高木神が矢を投げ返します。すると、そ
の矢は天稚彦を貫きました。
この天探女が天邪鬼の原形になったと。
[昔話]
『瓜子姫』という昔話に出てきます。
子供のいない老夫婦がいました。
ある時、お婆さんが川で瓜を拾ってきて、爺さんと一
緒に食べようとすると、女の子が瓜から生まれてき
ます。
姫は成長して機織りが上手になります。それから、
お殿様に見初められお嫁入りが決まります。
嫁入りが近づいた時、天邪鬼が来て姫をだまし、木
に縛り付け、瓜子姫に化けお嫁入りしようとします。
嫁入りの途中、木の上から「天邪鬼が嫁に行く」とい
う鳥たちの声が聞こえて来て、化けているのが発覚
して天邪鬼は殺され、瓜子姫は助けられ無事お嫁入
りができたと。
このように天邪鬼は人の邪魔をする妖怪とされます。
※別の話しでは、瓜子姫の皮をはぎ、それを被って化
けたと。
<漢字の勉強>
伴ーとも・ともなう・バン・ハン
「人」に「半=はんぶん」で、人の良きはんぶん、とも
の意。
アンドロキュノスの漢語訳にもってこいの字ですね。
<アンドロギュノスはプラトンの『饗宴』に出てくる人間の
原形とされるもので、雌雄一体の球形の形をしてい
ました。神を脅かすほどのとても大きな強を持ち、神の
怒りをかい雌雄に分割されました。
それからというもの、アンドロギュノスは互いの
片割れを求めるようになったといいます。>
ちなみに、愛妻をベターハーフという語源でもあり
ます。
食ーくう・たべる・ショク・ジキ
甲骨文字で「食器に食物を盛り、それにふたをした形」
でたべもの、くうの意味。
和訓の「くう」は「く=食物の総称」が動詞化したもので、
「たべる」は「たぶ(賜る・給る)」の音転で、上位者から
「いただく」の意味で用いられたものが転じて、飲食す
る意味となったもの。
今でも食べる時に「いただきます」といいますね。
ちなみに「喰(く)らう」は、品のない食べ方を言ったもの。
(大飯喰らい等)
また、好ましくないことを示します。
(泡を喰らう・出喰わす等)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
