ことばの物語
≪水2ーみず≫
字の成り立ちは、流れる水の象形。
上善は水の如し
水はよく万物を利して争わず。衆人の恵む所に処る。
(老子)
水は方円に従う
老子の好敵手孔子の言った言葉として、韓非子に出て
きます。
<君主たるものはちょうど鉢のようなものであり、民は水
である。鉢が四角であると、水も四角になり、鉢が丸け
れば水も丸くなると>
人は環境や友人によって良くも悪くも変わるというたとえ。
ちなみに韓非は兵法家でありますが、儒家の荀子の弟
子であります。孔子とは関係が深いのであります。
【語源散策】
水入らず
近い親戚や内輪の者だけで他人が交わらないこと。
これは油に水が入らない(混わらない)ことから。
水掛け論
両者が互いに都合のいい理屈を言って解決しないこと。
これは『狂言:水掛婿』からと。
<隣り合った場所に、婿と舅が田を持っていた。自分
の所に水を引き入れようと、互いに争った。争いは尽
きず最後には顔に水を掛けあい、これに妻が加わって、
舅を突き倒して終わる>
水商売
飲食店、バーなど、客の人気によって収入が左右されや
すい商売。
・流れる水のように一定していないところから。
・芸者の職業を「泥水家業」といったところから。
・江戸時代の水茶屋という商売から。
水茶屋は、街道や寺社の境内で、茶や菓子を売って休憩
所を提供する店。
なお、水商売では売り上げのことを「水揚げ」というと。
水引
贈り物などの包みにかける飾りひも。
これはなんてことはない。たんに、これをよる時に糊水を
塗ったところから。
水を向ける
相手がある物事を始めるようにとうまく仕向けること。
これは少し面白い。
巫女が生霊や死霊を呼び出す口寄せの時に、茶碗に水
を入れ樒(きしみ)の葉を浮かべ差し向ける「水向け」と
いう儀式からで、霊を呼び出すが、誘いをかけるという
ことになったものであります。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
