≪ことばの物語≫
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖璧(たま)を抱いて罪あり〗
「匹夫罪無し、璧を懐けは其れ罪あり」と。
『春秋左氏伝』にある言葉であります。
身分不相応なものを持っていると、思わない災いを招く
ということであります。(匹夫は凡人、身分の低い者)
<中国の春秋時代、虞国の君主の弟の虞叔が珍しい
玉を持っていました。兄の虞公がそれを欲しいと言っ
たけれども、献じませんでした。
しかし、断った後に後悔しました。
周のことわざに「匹夫罪無し、璧を懐けば其れ罪あり」
とあるではないか。ましてこの璧は何の役にも立たな
い。災難を受けるもとであるとして、それを兄に献上し
ました。>
<仏教語>
〖権化〗ごんげ
「まるであの人は○○の権化のようだ」などと言います
が、この権化を説明してくださいといわれたら?
難しいですね。辞書を引くと「ある精神や抽象的な特
質が具体的な姿をとったと思えるほどの人」という事
になります。普段、暗黙の了解のように使われていま
すが、説明するとなると、このようになかなか難しいも
のであります。
権化はもともと仏教語であります。
これはサンスクリット語の「アバターラ」の意訳で「神
仏などの超自然的存在がある目的の為に人間や動
物の姿となって、権(かりの)姿と化(変化)して現れた
状態」をいいその形を「化身」といいます。これを基に、
日本の大乗仏教では「本地垂迹(ほんちすいじゃく)」
という考え方がが生まれ、神仏習合します。
これにより、日本古来の神々は衆生を救うために仏
の化身として現れた姿とされるようになります。
※本地(仏・菩薩)が垂(現れる)迹(神の姿となって)と
いうことであります。
日本の家庭に仏壇と神棚がありますが、とくに矛盾す
ることではなさそうですね。
<例>(一つの仏でいくつもの化身をもちます。)
阿弥陀如来→八幡神
大日如来・十一面観音→天照大神
観音菩薩→秋葉権現
薬師如来→須佐能命・牛頭大王
<漢字の勉強>
化ーばける・かわる・しぬ・したがう・カ・ケ・ゲ
「イ(人)+ヒ(人を逆さまにした形)」で、死者が背中
合わせに横たわった形で、人が死ぬことを表す。
つまり「化」は生気を失って変化することで、すべて
のものは変化しながら死と生を繰り返ししているので
いるということ。また、自然のものを育成すること、道
徳、思想によって教え導くことを「化」という。(常用字解)
身ーみ・みごもる・からだ・みずから・シン
「妊婦を横から見た姿」で、身籠ることを意味。
のちに、からだ、みずからの意を含むようになる。
※「はらむ」
包ーおなかにいる胎児がいる形。
孕ー人の大きな腹の中に子がいる形。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
