ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖和氏の璧〗ーかしのへき(たま)
中国古代の有名な宝石の名。
転じて、才能がありながら一般に認められない者
をいう。
<周時代、楚国の卞和(べんか)という者が楚山で
宝石の原石(璞・あらたま)を見つけました。卞和
はこの原石を楚の厲(れい)王に献上しました。
厲王は「玉人(宝石の鑑定人)」に目利きさせると、
ただの石に過ぎないと鑑定され、詐欺罪で卞和
は左足の筋を切られました。
次に武王にこれを献上しました。今度も玉人に
たたの石と鑑定され、今度は右足の筋を切られ
ました。(足切りの刑)
そして、武王が死んで文王の時代になります。
卞和は楚山の麓で三日三晩泣いていました。
文王はそのことを聞いて、訳を尋ねさせます。
「私が泣いているのは足の筋を切られたからで
はく、私が発見した宝玉をただの石ころといって、
詐欺師扱いするからです」と。
文王がその原石を磨かせると、立派な宝石で
ありました。> (韓非子)
この壁は秦の昭王が十五城との交換を願うほど
の名玉でありました。(別称 連城の璧)
〖完璧〗ーかんぺき
完全無傷で優れているということ。
和氏の壁は後に趙国に渡ります。
<中国の戦国時代、和氏の璧は趙国にありました。
これを秦国(中国統一前の秦)の昭王が十五の城
との交換を求めました。
趙の宰相 藺相如は和氏の璧を持って秦に行き
交渉に当たります。
璧を手にした昭王は、それを眺めたまま十五の城
話を一向にしようとはしません。そこで藺相如は
「この壁には一か所、極小の傷があります。その
傷の場所をお教えしますので、壁をこちらにお渡し
いただけませんでしょうか」と言って壁を手にする
と「壁を渡すことはできない。むりやり取るのであ
れは、この壁を投げつけて粉々にしますぞ」と恫喝
し、その場から退出し、壁を無傷のまま無事国へ
持ち帰って来ました。>
≪仏教語≫
〖無財の七施〗ーむざいのななせ
誰でもできる施しで、心得ておきたいものですね。
お布施は金銭や物に限ったたものではないという
ことでありますよ。
①眼施~優しい眼差しを向ける。
②顔施~和やかな顔で接する。(和顔悦色施)
③言施~優しい言葉で話す。
④身施~労働力や手を貸す。
⑤心施~周囲への心遣い。
⑥床座施~座る所や寝るところを提供する。
⑦房舎施~住いや家の周辺を清潔に保つこと。
これだけでも立派なお布施で、凡夫の修行となり
ますね。
昨今では坊主でありながら、まともにやっていないの
では?
高僧になるほど、威張った風体に見えるのはなぜで
すかね?
≪漢字の勉強≫
辟ーきみ・ヘキ
「尸=つかさ・ひと」に「口=言う」に「辛=刑罰の入れ
墨をする針」で、人の処刑を命じ、平伏させる君主。
(これは驚きですね。き君主の権限を示しています。)
また、人体を刃物で引き裂く刑罰。
「ヘキ」の音は、平らに横に開くの意を含みます。
壁ーかべ・ヘキ
「辟=薄く平ら」に「土」で、表面が平らなかべ。
璧ーたま・ヘキ
「辟=薄く平ら」に「玉」で、薄く平らな輪の形をした玉。
「璧」は平らな輪の形をした玉で、中央に穴があります。
祭、儀式に用い、また爵位の象徴でありました。
立派なものの喩にも用います。
難玉(透閃石あるいは緑閃石)で造られます。
ちなみに硬玉は翡翠のことであります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
