ことばの物語
≪とかけ・やもり・いもり≫
〖とかげ〗
漢字には蜥蜴、石竜子があります。
体長20cm程度。
とかげは爬虫類で、雄は日光によって色が変わった
ようにキラリと光って見えます。
子供の頃は捕まえて遊んでいました。
尻尾を押さえると、プツンと尻尾を途中から切って逃げ
ていき、残された尻尾はしばらくくねくねと動いています。
尻尾は再生します。
この蜥蜴の尻尾の自切から「蜥蜴の尻尾切り」とい
う言葉が生まれました。
蜥蜴ーとかげ・セキエキ
もともと「蜴(とかげ)」は「易」を原字とします。
この「易」が別の意味(えき・やさしい)で用いられるよう
になり、原義を明らかにするために「虫」を付したのが
「蜴」であります。
「易」は「とかげの象形+彡(いろどり)」で、体色が簡単
に変わる虫という意味であります。
「蜥」は「虫+析(木+斤・おの)=さく・わける」で、尻尾を
自切する虫ということであります。
「石竜子」の字源は「山石の間に棲息し、雹を吐き
雨を祈ることができる」と言ううことから。
和訓の「とかげ」の語源は「戸隠げ(とかげ)」で、壁など
の間に隠れて棲息しているところからと。
別説では「疾駆(とくかけ)」からだとするものがあります。
※「蜥蜴の尻尾切り」・・・下位の組織や人に責任をかぶせて
逃れること。
〖やもり〗
漢字には守宮、家守があります。
やもりは蜥蜴の一種で、爬虫類であります。
体長は10~14cmで、灰色や褐色で不鮮明な暗色の
斑紋があり、環境に応じで体色の濃淡を変化させます。
扁平で、四肢の指には趾下薄板という者があって、
垂直な面に貼りつくことができます。
「家守」の字は、人家に住みつき害虫を捕食すること
からであります。
「守宮」は「宮女を守る」という意で、やもりの血を宮女の
腕に塗って、国王が留守の時に宮女が不倫を働けばそ
れが消えるという呪禁があったようです。
やもりの出る家(特に白色)は縁起が良いとされます。
〖いもり〗
漢字には、井守、蠑蚖(螈・えいげん)があります。
体長は10cm程度で、こちらは両生類であります。
水田や池沼、小川などに棲んでいます。
日本井守は背面が暗褐色腹面が鮮紅色に不規則な
黒斑があります。これから「あかはら」とも言われます。
ミミズや昆虫、腐った水草などを食べるところから
井戸(田)を守る「いもり」という名がついたと。
※井戸の付近に住んでいるからとの説もあります。
井守の黒焼きは媚薬(惚れ薬)になるという民間伝承
があります。
おどろくのが、四肢を切っても指先まで完全に再生す
るということですね。
このため皮膚ないし再生学への応用の研究対象と
なっているそうです。
※蜥蜴の尾は自切して再生しますが、尾骨を含まな
い先の部分であります。
蠑蚖の字源は「蚖=虫+元(人の頭の図形)]で、頭の
大きな蝮(まむし)を表します。それに「虫+栄(光の輪が
四方に出る)」で、足が四つ出た虫ということ。
これから、蝮に似ているが足が四つ出た虫という意に
なります。
〖サラマンダー〗
古代ギリシア時代より火の中に棲むとされたトカゲで、
火の精と信じられていました。
その身体か冷たいので、火を消すことができると。
清流に棲む同形状のサンショウウオがこの名で呼ば
れることがあると。
イモリと同じ両生類のオオサンショウウオは別称
「はんざき」と言われます。
これは身体を半分に裂いても生きている怪物と思わ
れていました。
ちなみに、アスベスト(石綿)は別称「サラマンダーの毛」
と呼ばれることがあります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
