ことばの物語
〖兎〗
私は卯(兎)年生まれ。さて運命は?
調べてみました。
卯年生まれの長所は表情豊かで活発・器用・強運の
持ち主。
(強運を示すには、多くの壁が必要です。確かなことは、
多くの壁があったことのみ。)
短所は自己主張が弱い・器用貧乏・ストレスに弱く慌て
やすい。(うむ・・・こちらはぴったんこ。)
中国の兎のイメージはこの長所の方で。日本での兎
のイメージは端緒にあるようですね。
十二支の「卯」の意味は「千本の草木が生える状態」。
四月は陰暦の四月で卯月(苗植月の転)、つまり草木
が地を覆う月であります。
十二支を動物に当てたのは、庶民が覚えやすいよう
にしたもので、「卯年」には「兎」を当てます。
なぜ兎か? 詳細は複雑でよくわかりませんでしたが、
ともあれ理解したところを少し説明してみます。
<「卯」は陰陽五行説で「木」の陰て、妃が茂るために
は「木」の力強い「陽」を必要とし、それが成長する間
は、それを見守る優しい「陰」が表れる。
この陰の性格を持つとされるのが「兎」ということであ
りました。
この柔らかな気を受けた者は、兎のように上品な
人間 なると考えられるようになります。
そして、この陰の気を持つ兎は「太陰=月」に住むと
され、月は別称「金兎・玉兎」といわれます。>
<月の兎>
天女だった嫦娥(じょうが)は、弓の名手后羿(こうげい)の妻
でありました。
ある時、羿は崑崙山に住む仙女西王母(せいおうぼ)から、
不老不死の薬を妻の分と二つもらってきます。
それを嫦娥は独り占めして飲んで、月へと逃げました。
その罰として月の兎に碓を撞かせ、不老不死の薬を
造り続けていると。
※嫦娥は罰として月で蟇蛙(ひきがえる)に変えられたといわれ
ますが、のちにこの話はなくなり、美しいままの姿で一人で月
に住むといわれるようになりまし た。
これが日本に伝来しますが、日本では兎は餅をつい
ているとなりました。
なぜ餅が?
日本では十五夜の満月を「望月=もちづき」といいま
すね。どとうもこれからのようで、「餅月」となったようで
すよ。
※お月見は言い伝えでは、月に逃げていった嫦娥をしのんで、
羿がいつまでも月を眺めていたという話からのようです。
<仏典ー本性譚の兎>
「本性譚」をジヤータカといい、前世の物語であります。
兎と狐と猿が仲良く暮らしていました。
三匹は自分たちが獣であるのは、前世に悪いこと
をしたからだろうと考えて、来世に夢を抱き、人の
ためになることをしようと話をしていました。
それを聞いた帝釈天は、その機会を与えようと
老人の姿になって三匹の前に現れ「食べ物を恵ん
でくれ」と三人に頼みます。
三匹は喜んで、食べ物を捜しに行きます。
猿は木の実を採ってきて老人に与え、狐は魚を
捕ってきて老人に与えます。兎は何も得ることが
できずもどってきて、老人に言います「火を焚いて
待っててください」と。そして再度食物になるものを
捜しにいきますが、何も手にすることはできずに
戻ってきて「私を食べてください」と言うなり、火の
中へ飛び込みます。・・・・
帝釈天は正体を現し、兎の献身の姿を永遠にと
どめるために、月にその姿を残しました。
・道教では嫦娥を月神として「太陰星君」と称します。
・卯年生まれの守り本尊は文殊菩薩さんで、本尊を
文殊菩薩とするお寺には、兎の置物があるところ
があると。
・兎を一羽、二羽と数えるのは、四つ足の動物を食
べることが禁じられていた時代、後ろ脚日本で立
つ兎を鳥であるとこじつけて、食べたことからで
あります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
