ことばの物語
〖羊〗
字の成り立ちは、ヒツジを正面から見た姿の象形。
羊はウシ科ヤギ亜科で、羊毛の為に早くから家畜化
されていたようです。
あのくるりと巻いた角は「アンモ角」と呼ばれます。
「羊」は世界各国で古くから神に捧げることのできる
神聖な動物とされていました。
古代中国では、神の審判を伺う「羊神判」というもの
がありました。その話が伝わっています。
<長い間争ってきた王里国と中里徼(ちゅうりきょう)は
神に誓いをたて、それぞれの羊の頸動脈を切ると
王の羊は静にしていて、中の羊は狂い死にしてし
まった。その結果、王の勝訴となった。>
この様子を示しているのか「善」という字であります。
〖善〗の元字は「誩=多くの言葉」の真ん中に
「羊」で、互いの主張の間に神の審判の羊をおいて、
神意を伺っている様子であります。
そして、その審判が降り、「良い結論」を得た者が
勝訴する「善」で、これから「よい・道理にかなって
いる」という意味に使われます。
〖羊を含む字〗
膳ーそなえもの・ゼン
字の成り立ちは「月=肉づき(肉)」に「善=神に捧げる
羊」で、神に供える肉が本義。これから、たっぷりと
ある食物、御馳走の意味となります。
<日本だけの意味>
・料理を並べる台。またその上に載せた料理。
・食器に盛った「飯」を数える言葉。→一膳、二善
・箸の一対。→箸二膳というと、二組の箸のこと。
※「膳夫=ぜんぷ」とは、周時代の宮廷の料理の役人
のことですが、日本では「かしわで」と読み、天皇の
食事を司る者のことで、古くは「柏の葉」を食器としてい
たところからであります。
義ーただしい・よい・ギ
字の成り立ちは「羊」に「我=のこぎり」で、生贄の羊
をのこぎりで切る。その羊は神意にかなうもので
なくてはならないことから「ただしい・よい」の意味と
なったもの。
(「我」が一人称の「われ」につかわれるようになり、本義を
明らかにするために作られたのが「鋸=のこ」の字であります。)
儀ーただしい・ようす・ギ
字の成り立ちは「人=神に仕える人」に「義=ただしい」
で、神官が行う礼法を表しています。→儀礼
「議」は、言葉で神意を問うで、「犠」は、神に捧げる
牛で、犠牲、いけにえの意味。
祥ーさいわい・さち・しるし・ショウ
字の成り立ちは「示=祭壇・神に関すること」に「羊」
で、吉凶をうかがうの意味であったものが、めでたい
よいの意味で用いられたもの。
詳ーくわしい・つまびらか・ショウ
字の成り立ちは「言=ことば」に「羊=祥の略」で、
吉凶の兆しを言葉でつまびらかに説明する。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
