ことばの物語
≪へびー蛇≫
〖水神〗
「へび」はその形状がくねくねと細く、川に似ている。
その川の水が豊穣をもたらします。
「ヘビ」は脱皮して成長していきます。
これが「死と再生」、不老不死の霊力を持つとされ、
毎年、穀物が芽吹き実ることを願う農耕祭神と結び
つき、水神(=農耕神)として崇められるようになります。
農耕文化においては、もともと蛇は鼠を捕食すること
から、恐れながらも大切にされていたようであります。
そのようなところから、縄文時代の土器、土偶なとに
蛇の文様が多くみられます。
当時の祭祀は水神に仕える巫女が、男性の象徴で
もある水神と交わるという形態で行われたてたよう
です。
仏教の密教が伝来すると、財宝神 弁財天と結びつ
きます。
これは弁財天の前身がインドのサラスヴァティ川を
神格化した女神であったところからで、同じ水神とし
で習合したものであります。
(財布に蛇の抜け殻を入れておくと、金が貯まると言
われるのは、これによるものかな?)
川は恵みを与える反面、洪水などにより地域を押し
流す恐ろしい面もあります。蛇も恐れられますね。
ちなみに、ヤマタノオロチは出雲の斐伊川(ひいがわ)
本支流を表しているという説があります。
古代中国の伝説の三皇の一人、伏羲とその妻
女媧は人頭蛇身で絡み合った姿で表されます。
手には権力や知を象徴するコンパスと定規を分け持
ちます。このように、蛇は特別な霊獣でありました。
※伏羲は華胥国(かしょうこく)の娘が、巨人の足跡を踏んで
宿したと伝わってます。
〖蛇の象徴〗
・再生・・・脱皮して成長をする。→死と再生の象徴
・知恵・・・特に狡猾さ。(アダムとイブの誘惑)
【古代ギリシア】
神話では「生命の象徴」で、医神アスクレビィオス
の杖には一匹のヘビ(薬師蛇)が巻き付いていま
す。
(おもしろいことに、仏教の薬師如来の使いも蛇で
あります。)
また、ウロボロスという「自分の尾を飲み込む蛇」は
死と再生の象徴の蛇からで、始めも終わりもない完
全なものということを表しています。
【古代エジプト】
歴代ファラオの王権、主権、神聖の象徴であります。
蛇ーへび・シャ・ダ
字の成り立ちは「虫」に「它=へびの象形」。
異字体は「虵」で、「也」もへびの象形です。
和訓の「へび」は語源は「延虫=はへむし」ということ
からだそうです。
杯中の蛇影
なんでもないことまで不安になり、心を悩ますたとえ。
<中国は漢の時代。杜宣という者が友人の部屋で酒
を飲んだ時、自分の杯に映った弓を蛇と見誤り、酒
といっしょに蛇を飲み込んだと思って病気になってし
まった。そのごそれが弓の影であったと知って、たち
まちよ病が治ったと。>
竜頭蛇尾
初めは勢いが盛んだが、終わりになると衰えて振るわ
ないこと。(=頭でっかち尻つぼみ)
蛇足
余計な付けたし。
<中国の楚国で、司祭者が召使たちに酒をふるまった。
召使たちはみんなで飲むには足りないので、地面に
蛇の絵をかき、早くかき上げた者が飲むことにして同
時にかき始めた。最初にかき上げた者が大杯を引き
寄せて、自分の早さを自慢して「足までかけるぞ」と
いって、足を付け足した。そうすると次にかき上げた
者がその杯を奪い取り「蛇には足はない。権利は俺
にある」といってその酒を飲みほしたと。>
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
