ことばの物語
≪あのよー黄泉・冥府≫
〖黄泉国降り〗
漢語の「黄泉=こうせん」の字源は「黄=五行説の土」
を表し「地中の泉」、つまり「あの世=彼岸」にあのこと
であります。
和訓の「よみ」の語源は「夜見」「闇」からだそうで、
これを漢語の「黄泉」に当てたものであります。
ちなみに「よみがえり」は「黄泉帰り」であります。
〖日本神話〗
イザナミ神(女神)が火の神カグツチを生んだ時、陰部
を火傷し絶命し黄泉の国に去りました。
イザナキ神(男神)は妻のイザナミ逢たくて、黄泉の国
へ降ります。
黄泉の神殿に着くと、扉の所から帰ってくるように語
ります。そうするとイザナミは「この国の食べ物を食
したので帰ることができなくなった」と応えます。
(ギリシア神話の冥界の王ハデスにさらわれたペルセ ポネ
の話しによく似ていますね。)
そして、決して中を見ないように伝えます。
「見ないように」これ魔法の言葉で見ちゃうんですね。
そうすると、イザナミには蛆がわき雷をまとった姿をし
ていました。
そのおぞましい姿にイザナキは一目散に逃げだしま
す。イザナミは1500の軍勢で追いかけさせます・・・
やっと黄泉比良坂を抜け出し、大きな石でそこを塞
ぎましたと。
※黄泉比良坂は現世と黄泉国境界といわれ、島根県
に伝承としてその場所があります。
別の話しですが、小野篁(たかむら)は京都の六道珍皇寺
の井戸(冥土通いの井戸)から夜に黄泉国へ行って、閻魔
大王の補佐を務め、朝には嵯峨にあったといわれる福生寺
の井戸から帰って来たと。(よみがえりの井戸)
〖ギリシア神話〗
竪琴の名手オルフェウスはエウリュディケと結婚し
ますが、その結婚式の当日、エウリュディケは毒蛇
に咬まれて死んでしまい冥府の人となります。
オルフェウスはエウリュディケを求めて冥府へ降り
ます。
冥界のスティクリス川の渡し守カロンは、
「死者しか渡せぬ」と拒絶しますが、オルフェウスの
竪琴の音色に涙を流し、川を渡してあげます。・・・
ついに冥府の王ハデスの前にたどりつき、
エウリュディケを連れて帰る許しを得ます。
それには条件がありました。
「冥界を出るまで決して振り返って気ならない」と。
やっと地上の光が見えてきたところで、手を引いて
いたエウリュディケは小石につまずきます。
その瞬間、エウリュディケの姿は幻の如く消えてし
まいました。
冥ーくらい・メイ
字の成り立ちは「冖=覆う」に「日」に「六=陸の原字」
で、太陽が陸の彼方に沈み、夜のとばりが覆って
暗く成る情景。(日の目を見ないということですね。)
<黄泉、冥界の他の死後の世界の名称>
あの世
仏教の彼岸。此岸(現世)に対応する呼び方。
常世(とこよ)
神道の言葉で、永久に変わらない神域ということで
この中に黄泉があるとされます。
根の国
地下の世界で祖先の居住する世界。
また、「根=始原」と解釈され、海の彼方にある世界
とも言われます。
誤字脱字ご容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版
