ことばの物語 ≪いなりー稲・荷 Ⅱ≫
〖お稲荷さん〗
「いなり」の語源は「稲成り」からだそうで、信仰の始まりは
奈良時代の初め頃、渡来した秦氏(はたし)の氏神として
始まりました。
<ある時、渡来人の秦氏が餅を矢で射た所、その餅が白鳥
となって山の峰にとまり、そこに稲が生えたという。この霊力
を稲荷神として祀りました。これから稲荷信神は五穀豊穣
の神となりました。>
お稲荷さんは現在では、商売繁盛の現世利益の神として、
全国に数多く神社が設けられています。
京都の総本てある伏見稲荷大社は、五穀豊穣神のウカノミタマ
神としています。
秦氏の氏神であったお稲荷さんが全国に広まったのは、平安
初期に空海が現世利益を主とした呪術仏教と言われる真言密教
を開いたことに関係しています。それは密教の天部 ダキニ天と
習合したことによります。
インドの神であったダキニ天の乗り物は「ジャッカル」でしたが、
日本に伝来した時、日本では「ジャッカル」は存在していなく、想像
で狐様のものらしいということで「白狐」が乗り物とされ、使いの動
物となったものであります。
〖荼枳尼天〗ーダキニテン
ヒンドゥ教の女神ダーキニーが密教に取り入れられて、東寺の
守護神となったものですが、もとは夜叉で人間の心臓を食べて
いました。人の死を半年前に察知する能力があるといいます。
〖稲荷鮨〗ーいなりずし
お稲荷さんのお狐様の鉱物が油揚げ。
<ある時、大阪の信太の森の狐が田畑を荒らすので、油揚げ
でくるんだおにぎりをその所に置いたところ、この狐はそれを
食べ、それ以来田畑を荒らすことはなくなったと。このおにぎり
を信太鮨と呼ぶようになり、これが江戸に伝わり稲荷鮨として
売り出したところ、大いに流行ったと。>
(五穀豊穣の神の使いの狐が田畑を荒らす?多少疑問が残り
ますが、いずれにしても作り話ですから、面白話として楽しむこ
とですね。)
〖信太の森の狐〗
信太の森の狐というと、安倍晴明の母親「葛の葉」が有名ですね。
<ある時、晴明の父、阿倍保名が一匹の狐を救いました。その
恩を返いために狐は「葛の葉」という美女に変身して保名を訪ね
てきます。そのうち、二人は恋仲になって、葛の葉は子を宿しま
す。そして生まれてきたのが晴明であると。
晴明が五歳になったころ、葛の葉の正体がばれます。
葛の葉は、次のような和歌を歌い、信太の森へと返って
いきます。
恋しくば尋ね来てみよ
和泉る信太の森の うらみ葛の葉 >
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
