ことばの物語
≪いち・・・・一≫
異字体が「弌」で、大字が「壱」。
※大字とは、数字の書き換え防止に用いられる漢数字
であります。
(壱・弐・参・肆・伍・陸・漆・捌・捨=什)
字の成り立ちは「一本の横棒」で、数量がひとつであることを
示したもの。
(補)
二つに分かれる前の未分化の状態で、一つにまとまって
分けられない状態表しています。
未分化の状態は論理的に最初であるから、順位の始まり
の意味であります。
またこれから、「まとまる」「全部そろっている」「すべて」
「分けられない」という意味に展開。
〖難読漢字の一部〗
一見ーいちげん
「いっけん」と読むと、一度見る、ちょっとみるとの意味です
が、「いちげん」というと、水商売などで「初めての客」とい
うことで、特に高級料亭や旅館では「一見さんお断り」が
格付けのように掲げられています。(京都の代名詞みたい
になっていますね)。予約も断られるようですよ。
一入ーひとしお
ひときは。一層。
「ひとしお」の「ひと」は一回という意味で、「しお」は「染料
に浸す回数を表す接尾語」て「入」の字を当てます。
染料に浸す回数が増えるごとに、色が濃くなっていくこと
「一層」という意味を生じました。
一廉ーひとかど
ひときわ優れたていること。
「廉」は「角=かど」の意味で「一角」とも表記します。
角が突出しているように目立つところからと。
別説では「一つの角」、つまり一つの分野、事柄の意味
としています。
※「廉」は「廉価」、安い値段として用いられますね。
ちなみにこれに「竹冠」が付くと「簾=すだれ」となります。
一寸ーちょっと
わずか。すこし。
「一寸=いっすん」で長さの単位です。
一寸は3.03cm
(一尺は30.3cm・一間は1.82m)
「尺八」は、標準の長さの一尺八寸の長さから。
「日本刀」は、定寸が二尺三寸。「短刀」は一尺未満。
〖四字熟語を少し〗
一曲之士(いっきょくのし)
考え方が部分に偏って、ものごどの全体を見通すことが
できない人。
一言居士(いちげんこじ)
何事もにも必ず何か一言いわなければ気が済まない人。
一枝春(いっしのはる)
梅の花の別称。
一毛不抜(いちもうふばつ)
他人のためには自分の一本の毛すら抜かない。
極端な利己主義。
一諾千金(いちだくせんきん)
信頼できる確かな承諾や約束。また、約束を重んじなけれ
ばならないこと。
一字千金(いちじせんきん)
貴重で価値のある立派な文字や文章のたとえ。
また、師の恩義などの厚いこと。
<中国は秦時代の呂不韋が〖呂氏春秋〗を著した時
都の咸陽の門に千金とこの著作を合わせ置き、
「一字でも添削できる者がいたら千金を与えよう」と
いった故事に基づきます。>
一日作(な)さざれば一日食らわず
一日働かなければ一日食を取らないということ。
<唐時代、禅僧の百丈懐海が高齢にも関わらず仕事
をやめないので、門弟たちがいたわりの気持ちで仕事
道具を隠してしまいました。そうすると百丈はその日
一日食事をしなかったといいます。
労働を仏道の一環と位置付けた人であります。>
キリスト教の修道院の自給自足の生活に似ていますね。
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
