ことばの物語
≪取とる 最もっとも 冒おかす≫
取ーとる・シュ
「又=手」に「耳」で、敵の左耳を切り取り首級(しゅきゅう)の代わり
にする。
「首」では大きくて重くて大変だったんでしょうね。
そこで耳となるんですが、これも左右面倒だと最終的には「鼻を削
ぎ取って「敵を殺した印」としたようであります。何事にも合理性が
働くものですね。
首級は中国の戦国時代の法で、敵の首一つとると一階級上
がったといいます。
この首を取ることから、実際に会って誰であるかを見極める
「首実検」という言葉も生まれます。
これは、敵の首級であるかどうかを、実地に大将が判定したこ
とからであります。
味方の首だったり、兵士の首でなかったりしたんてしょうね。
昔から、人というものは欲が絡むと、とんでもないことをやらか
すようであります。
【とる】
執―物事を執り行う ・指揮を執る
採―選んで採る。ひろいあげる。 ・嘱託として採る
撮―撮影。 ・写真を撮る
捕―つかまえる。 ・生け捕る
これ以外は「取る」で良いと。
最ーもっとも・サイ
「曰=頭巾の類で覆う」に「取」で、切り取った多くの耳を、覆って
取り集める。
一番多く耳を切り取った者を功績第一「最」と称したところか
らのようであります。
最中(もなか)
最も中心、つまり真ん中のことであります。
お菓子の「最中」は江戸吉原の菓子職人がまん丸の煎餅
みたいなものを作って、
「最中の月」にちなんで名づけたところからと。
満月の形ですから、本来は「丸形」であります。
冒ーおかす・ボウ
「最」の上と同じ「曰=頭巾の類で覆う」に「目」で、目を覆うであ
ります。
目を覆われても突き進む、つまり戦闘で兜がずれて先が見えなく
なっても突き進むことで
「してはならないことをあえてする」ということで「おかす」の意味
を持つ。
実体験から生まれた字でありますね。
冒頭(ぼうとう)
はじめに、はじめから、まえおき。頭の被り物から転じて「初め」の
意味になりました。
冒昧(ぼうまい)
がむしゃらで道理に暗い。わがままなふるまい。
ちなみに「昧」は「日」に「未=微に通じ、はっきりみえない」で、
夜明け方の意味であります。
この取、最、冒の三字は、深く浅く絡み合っていました。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
2016.9掲載再考
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
部首ときあかし辞典(研究社)
A・ビアス『悪魔の字典』(角川文庫)
これは使える!スピーチ引用名言辞典 モーリス・マルー編 PHP文庫)
漢字の謎と暗号:青春出版
ウキィディペディア (読み物としても面白いですね
