ことばの物語
≪あたうー能≫
「あたう」とは「できる・たえうる」という意味で、同じく
和訓で「よく」とも読みますね。
漢音で「ドウ」呉音で「ノウ」。日本では呉音を主に
用います。
字の成り立ちは「大きな口を開けた熊の形」で、
借りて能力としてできるの意味に用います。
白川先生の常用字解によると「水中に住む昆虫
の形。説文に熊の属なり。足は鹿に似たり」とあ
りました。
説文とは「説文解字(せつもんかいじ)」のことで、
後漢の許慎による最古の部首別漢字字典のこと
で、漢字字典の本家であります。
これを本に色々と研究されて、同じ漢字に別説が
生まれているようです。
能筆(のうひつ)
文字を達者に書く、またその人。
能筆は筆を選ばす
書に優れた人は、筆の良し悪しは問題にしないと
いうこと。
昨今は、あえて悪筆を用いて、書道芸術というら
しきものがもてはやされているようですが。
<「欧陽詢は筆を選ばず」が本来。
中国の唐の書家に欧陽詢、虞世南、褚遂良が
いました。
ある時、最年少の褚遂良が虞世南に尋ねます。
「自分の書と欧の書とどちらが優れていますか」
と。
虞世南は答えて言います「欧は紙や筆の良し悪
しに関係なく思い通りに書けるそうだ。紙筆にこ
だわる君は、彼に及ばない」と。>
能書(のうがき)
薬などの効能を書いたもの。
能書きを並べる
自画自賛すること。
能書きの読めぬところに効き目あり
難解な者が尊ばれがちなこと。
日本語訳の哲学書や医学書ですね。
わざわざ難解にしているように感じます。
能書きと矮鶏(ちゃぼ)の時は当てにならぬ
自己宣伝の文句は信用できないということ。
能事(のうじ)
成し遂げなければならないことがら。特に優れた
わざ。
能事畢(おわ)る
やるべきことはすべておえたということ。(易経)
「八卦を引き伸ばして六十四卦としたり、同じ種
類の物事を関係づけて広げていけば、世の中
の成るべきことのすべてが、この易の中に成し
終えられる」
同じ種類の物事を関係づけて広げていく。これ、
思考、行動規範になりますね。
ただ、新しいアイディアはこの中に異物をぶち
込まないと。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
