ことばの物語
≪さいわい・しあわせー幸≫
「幸」の字の成り立ちは意外なものでありました。
甲骨文字で「手かせの象形」で、さいわいにも手枷には
められるのを免れて、しあわせの意味を表す。
まさしく、不幸中の幸い、執行猶予というとこですかね。
常用字解(白川静)によると、
<手かせの形(ここまでは同じ)。両手にはめた形が
「執=とらえる」で、報復刑として手による犯罪に枷をは
めることを「報=むくいる」という。
手枷だけの刑罰で済むのは、僥倖(思いがけないしあわ
せ)であり、重い刑を免れるというのて「さいわい」という
のであろう>と。
こちらは情状酌量というところですかね。
の「幸=こう」の和訓「さいわい・しあわせ・さち」語源。
さいわい~「さきはひ」の転じたもので、「さき」は「栄ゆ」
「盛り」と同源で、「はひ」は「延(は)ふ」。つまり繁栄が
進展するの意味。
しあわせ
「仕合わせ」とも書き、これは「うまく合うようにする」で、
もとは「つじつまを合わせる」こと。その後「なりゆき・
運命」などに用いられ、また「うまくやりとげる」というこ
とから幸運の意味として用いられたところから。
さち
「さち」はもとは弓矢、釣り針など霊力を持つ猟の道具
を指し、またそれによって得た獲物を意味します。(海の
幸・山の幸など)
これから、獲物を得た幸せを「さち」と言うようになったと。
狩りに用いる矢を幸矢(さちや・さつや)というのはこれで
わかりますね。
幸姫(こうき)
お気に入りの女。(寵姜)
幸臣(こうじん)
お気に入りのけらい。(寵臣)
幸臨(こうりん)
天子が行幸してその場にでること。
他人が臨席することをいう敬語。
「本日はご幸臨いただましてありがとうございました」と
よく聞きますね。
幸災楽禍(こうさいらっか)
他人の不幸を喜ぶこと。
他人の災を幸いとして喜び、他人が禍を見て楽しむこ
と。
「ああ自分でなくてよかった」「人の不幸は蜜の味」であ
りますね。
人の不幸はわが身の不幸を耐えさせる
ソフォクレス
(いろんな悩みに対して、自分だけではないということを
知りなさいということですね。)
不幸に耐えられぬことは不幸の一つだ
ディオゲネス・ラエティオス
今日一日幸運でありますように
2018.3掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
