ことばの物語
≪みこー巫Ⅱ≫
「みこ・かんなぎ」。さて、この語源はというと?
「巫女=みこ」は「神の御子」で、「かんなぎ」は「神和
(な)ぎ」からと。
男女ともに「巫」であったものが、後に女性を「巫女
(ふじょ)=巫=めかんなぎ」、男性を「覡=げき=おかん
なぎ」と、区別するようになったとありました。
「巫」のもともとの役割は、舞楽をして神がかりになり
の状態になり、神意を知り人に伝えることでありまし
た。
字の成り立ちは「人が両手で祭具をささげる形」で、
神を招き求める者の意。ちなみに「覡」は、これに
「見」を付して神意をうかがい見るということでありま
す。
物の本によると、巫の原形はアメノウズメノミコトに
あるようです。
この神さんは、天照が大神天岩戸に隠れたとき、岩
戸の前で裸踊りをしたところから、ストリップの元祖
なんてことも言われています。
『三国志・魏志倭人伝』に出てくる邪馬台国の卑弥
呼は、鬼道で衆人を惑わしたとあります。ようは、神
がかり、神おろしの巫女だったようであります。もう
一人有名なのは、歌舞伎踊りを生み出したとされる
出雲阿国は出雲大社の巫女であったと。
巫医(ふい)
呪術で病を治すという。巫は医者をかねていたよう
です。薮医は「野巫=やふ」(田舎の巫)からとも。
邪気を払えば病を治るなんてことやっていたんでし
ょうね。他に薮医の語源としては「藪を突っついて
蛇を出す」からとか「藪のように見通しがきかない」
などがあります。
野巫まがいのこと、いまでもあやしい宗教団体に
ありますね。
巫蠱(ふこ)
巫などが邪道を以て人を惑わすこと。
「蠱」は「皿に盛った食べ物にくっつく虫」で、人に
害を与えるもの。
巫山(ふざん)の夢
男女の情交のこと。また、男女の密会のこと。
巫山は中国の四川省と河北省の境に実際にある
山。
故事があります。
<中国の春秋時代、楚の懐王が高唐(巫山にあ
る高殿の名)に遊び夢の中で巫山の神女とちぎ
り、神女が去るときに「妾は巫山の陽(みなみ)
高丘の岨岨(そば)に在り。旦(あした)には朝雲と
なり、暮れには行雲となる」ー朝は雲になり、夕
方は雨となってまいりましょうーといって去った
という。>これから同じ意味で巫山雲雨
という熟語もうまれました。
面白いのが「ふざける」の当て字「巫山戯(け)
る」。
良くできていますね。もっつも、この語源は「ぼ
ざく」の転じたもののようであります。
巫史(ふし)
神に仕えて祭事や神事を司るもの。はふり。
はふり?語源は罪や穢れを「放=はふる」か
らで、神主、禰宜の下に位置する神職であり
ます。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
2018.2掲載再考
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
