ことばの物語
≪なかば・ハンー半≫
「半」の字の成り立ちは「八=わける」に「牛」で、牛のよ
うに大きなものを二つに分けるの意味。
半玉(はんぎょく)
まだ1人前でない芸者さんのことをいいます。
玉代(座敷に呼ぶときの代金)が一人前の芸者さんの
半分であるとこからであります。
玉代は花代ともいわれ、これは華やかな花に見立て
ていったもので、古くは線香代と呼ばれていました。
それは、宴席の時間を線香で計ったところからで、こ
の線香一本を一単価として代金が計算されました。
その線香の数を「○印」で記帳したところから、また
「玉代」とも呼ばれたといいます。
半可通(はんかつう)
本当はよく知らないのに通人ぶること。
半旗(はんき)
不幸を弔うときに揚げる旗のことで、旗竿の先から少
し下の所に旗を掲げます。
主君に背いて兵を起こすことを「反旗を翻す」といい
ますが、この場合は「反旗」と書きますね。半旗は
「半旗を掲げる」となります。
半畳を入れる
人の言動を冷かしたり茶化したりすること。
半畳は畳一畳の半分。これは芝居の見物人に貸
し出されたござで、役者の芝居に不満があると、
これを見物人が投げ入れたことが語源でありますと。
ちなみに演劇を「芝居」というのは、寺の本堂などで
行われる猿楽や田楽などの興行の時に、芝生を囲
った見物席が設けられたことによります。昔は芝生
に座って演劇を見ていたということですね。
【半分を共有する文字】
畔ーあぜ・ハン
「田」に「半=わける」で、耕地を区分するあぜの意味。
畔逆(はんぎゃく)
そむきさからう。=反逆(叛逆)
袢ーはだぎ・ハン
「衣」に「半」で、汗が染まらないよう染色していない
上半分、下半分に分かれているはだきの意味。
判ーわかれる・わかる・ハン・バン
「半」に「刀」で、刀ではっきり分ける。
判読(はんどく)
難しい文字や文章を推量してよむこと。
伴ーともなう・ハン
「人」に「半」で、人の良き半分、ともの意味。
伴食(はんしょく)
正客と一緒に御馳走になること。(相伴)
伴食宰相
無能な宰相ということであります。
唐の時代は大臣は政治堂で食膳を賜ることになって
いました。政治能力がないのに、食事にあずなって
いるだけの人というところから。
現在では会議中に居眠りして、賛否の挙手だけの
為に参加している
議員さんたちのことでしょうね。
2017.11掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編