ことばの物語
≪寺 侍 痔 卍≫
てら・さむらい・じ・そしてまんじ
寺ーてら・ジ
仏道修行や仏事を行う所。
字の成り立ちは「寸=手」に「止に通じる字」で、法を
持して役人が駐在するところ、役所の意味。
これが寺院を表すようになったのは、漢の時代に西
域から来た僧たちを鴻矑寺という接待の役所に泊め
たことに発しますと。
寺子屋
昔の教育機関で、今の小学校のような所。
寺で庶民に読み書きそろばんを教えていたところ
から。
寺門(じもん)
役所の門。寺の門。
日本では特に寺は三井寺、門は山門で延暦寺のこ
とを指しますと。
寺人(じじん)
宮中の奥向きに仕える小臣、宦官のこと。
侍ーさむらい・ジ
「人」に「寺」で、目上の人の近くにとどまって奉仕
する人。
古くは「寺人」といったのが「寺」が役所や仏寺に転
用されたため「寺人→侍」として原義をあらわしたと。
和訓の「さむらい」は「さぶらう」の名詞形で、そばに
付き添って奉仕する人の意をあらわしたと。この侍
は、警護も兼ねていたところから、武士が台頭する
につれて武士を意味するようになったと。
侍医(じい)
天子や王侯のむおかかえ医師。常に付き添ってい
る医者なんですね、
侍婢(こしもと)
貴人のそばに仕えて雑用する侍女。
通常は「腰元」と表記ます。
痔ージ・チ
肛門や無その周辺におきる病。
「疒=病」に「寺=とどまる」で、じっとどまってとれな
い病となります。
なかなか治りづらいんですね。
お寺の坊さんに多いやまいではなかったようですね。
卍ーまんじ
仏教寺院の記号、紋章として用いられます。
「万字」、中国の仏典翻訳家が「万の字」として使っ
たところから。
これは、インドのクリシュナ神の胸の旋毛の象形で、
瑞兆のしるしであります。これが後に仏陀の胸、手足
、頭髪に現れた吉祥の表象となったといいます。クリ
シュナはインドの最高神のヴィシュヌの化身で、勇猛
神であります。化身神を「アヴァターラ」といい、最初
の化身神がクリシュナ神であり、ヴィシュヌ神は仏教
に取り入られ吉祥天となります。まさしく「卍=吉祥の
印」で吉祥天で繋がりますね。
今日一日幸運でありますように
2017.11掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編