ことばの物語
≪しゅうかくのときー秋・稔・歳・年≫
全て収穫に関係した字であります。
【秋】ーあき・シュウ
立秋から立冬までの約三ケ月間。(九月・十月・十一月)
秋の古字は『穐』であります。さらに古くは「禾偏」の下
に「火」がついていました。これでないと、秋の意味がよ
くわからないのであります。
字の成り立ちは「禾=作物」に「火」に「亀=占いに用い
るかめ」で、この占い用いる亀は秋に捕獲され、これ
に火を近づけてそのひび割れて占いました。これに穀
物が収穫される時期でもあるので「禾」を付して、出
来上がった字であります。
種を植えてから実りの時期の間という意味で「としつき
=歳月」を表し、その意味で使われるのが「千秋」であり
ます。
一年は、春に生じて、夏に長じ、秋に収め、冬に蔵する
期間であります。人の一生にたとえられるのも、もっとも
でありますね。
秋扇(しゅうせん)
秋になり使われなくなった扇のことで、不要になったも
ののたとえ。
主に、愛されなくなった女性のことを言う。
秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
秋の冷たい霜と夏の強烈な日差しで、刑罰、志操など
の厳しいことのたとえ。
秋刀魚(さんま)
秋に多くとれる刀の形に似ている魚。これはよくでき
ていますね。
秋波(しゅうは)
美人の涼しい目もと。女性の媚びる目つき。
【稔】ーみのる・ネン・ジン
「禾=作物」に「念=時間をかけてある重さのものをた
もつ」で、穀物が成熟するの意味。
【歳】ーさい・セイ
今日一日幸運でありますように
2017.8掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編