ことばの物語
≪おおかみー狼≫
和訓の語源は「大神=おおかみ」からと。
古くは「大口の真神=おおぐちのまがみ」といわれ、動
物の中の真の神と考えられていました。昔は日本にも
狼が棲息していたんですね。
字の成り立ちは三通りありました。
1.「犭=犬」に「良=青みががかった灰色」で、毛の色から。
2.「良=冷たく澄み切った」で、冷酷な性質の動物と。
3.「良=浪に通じ、なみの意味」で、押し寄せる波のように
群れをなして襲うおおかみ。
それぞれ狼の特徴を表していますが、こんなにも解釈が
違うといかがなものかと。
蒼き狼
モンゴルの祖といわれる伝説上の獣。転じてチンギス・
ハーンのこと。
天狼星
シリウス星のことで、天の宮殿(大熊座)の番人であ
ります。
ローマの建国者といわれるロムルスとレムス兄弟は
雌狼に育てられます。
中世ヨーロッパでは狼は「死や恐怖の対象」でありま
した。
そんななか、古代より伝わる人狼(人が狼に変身する)
が再燃してきます。
また、魔術師は狼に変身してサバトへ向かうという。
魔女狩りを含め、とんでもない恐怖の時代でありました。
狼煙(のろし)
狼の乾燥した糞と枯草を混ぜて火をつけ、その煙を合
図として使ったところからで、この煙は風が吹いてもま
っすぐに上がると。
本当ですかね?
野心(やしん)
これも狼からであります。
狼の子を檻の中に入れて飼っていても、いつまでも人
に馴れず檻からの脱失の機会を狙うという。これを「狼
子野心」といいます。
これから、身分不相応の大きな望みを野心というよう
になりました。
狼藉(ろうぜき)
者が散乱したさま。
狼が寝るとき下草を踏み荒らすところから。
狼狽(ろうばい)
うろたえあわてること。これは一対の想像上の獣から
であります。
狼は後の足が短く、狽は前の足が短く、二つは一対に
なって歩行するといいます。二つが離れ離れになると
倒れてしまうので、あわてふためくという。
これはよくできていて、面白いですね。
足元があたふたして、スケートリンクですってんころり
ですね。
2017.6掲載再考
日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
