ことばの物語
≪吾と我≫
吾ーわれ・ゴ
「口=神のお告げ」に「五=棒を組み立てて交差させた
器具」で、神のお告げを穢れから守るための器具の
さまから防ぐの意味を表し、これを借りてわれの意味
を表す。
仮借ですから、字義は関係ありませんでした。。
なお、訓読みの「あ・あか」は「わたし」という古語から
であります。
吾妻(あずま・あがつま)
「東」を「あずま」というのは、この「吾妻」が元でありま
す。
日本武尊が自分ために入水して死んだ妻弟橘姫を偲ん
で足柄峠で東を向いて「吾妻よ」叫んだところから、ここ
より東を「あずま」と呼ぶようになったと。
吾を視ること人の如し
自分を他人と同じようにみる。
他人も自分と区別しないこと。
吾輩は猫である
夏目漱石の処女作。
<吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ・・・>
E.T.ホフマンの「牡猫ムルの人生観」にヒントを
得たといわれる。
エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン
幻想文学の奇才で、音楽家。アマデウスは尊敬
するモーツアルトから。
読んで特に面白かったのか『悪魔の美酒(霊液)』
『黄金の壺』、おすすめであります。
我ーわれ・ワ・ガ
この字は、
刃がギザギサになった矛を描いたもの。我の音を借
りて代名詞として表したもの。
仮借文字ですから、とくに「われ」に関する蘊蓄はあり
ませんでした。
我利我利亡者(がりがりもうじゃ)
自分の利益だけを考えている人。明治時代に日本で
作られた語彙。
良くできていますね。地獄の亡者となっても、自分の
利益だけに取りすがっている景色が見えてきますね。
「ガリガリ」は物をかじる音ですが、これに「我利我利」
の当て字で意味を持たせています。→「ガリガリ君」
「ガリ勉」執念ですね。成仏したけりゃ我執をなくせで
あります。
おれがおれがの我を捨てて
おかげおかげの下でくらせ (作者不詳)
ところで、なぜお陰様なのか?調べてみました。
<古くは「陰」は神仏の陰で、その庇護を受けるとを
言ったもの>
我執(がしつ)
仏教語で、自分なりの考え方に固執すること。
我が実在すると考える執着。
この執着を捨てたのが無我であります。
我慢(がまん)
辛抱することでありますが、本来は仏教語でまるっきり
逆の意味であります。
慢は自慢、高慢などのように「いばる・おごりたかぶる」
という意味であります。おごり高ぶった我であります。
つまり、自分の才能や力を頼りにして他人を馬鹿にする
ことであります。
これを諫めた「我慢を無くせ」が「辛抱しろ」ということに
なったようですね。
2017.1掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
部首ときあかし辞典(研究社)
A・ビアス『悪魔の字典』(角川文庫)
これは使える!スピーチ引用名言辞典 モーリス・マルー編 PHP文庫
