ことばの物語 <成ーなる・なす・セイ・ジョウ>
『千文字』の「閏餘成歳」の「成」です。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も
成らぬは人の為さぬ成けり」
米沢藩の危機を救った藩主上杉鷹山の言葉ですね。
もとは武田信玄の言葉からと。
「為せば成る 為さねば成らぬ業を成らぬと捨つるは
人のはかなき」
上杉鷹山はバブル崩壊後の危機管理として、いっきに
人気沸騰で、それまではほとんど日本人には知られて
いなかった。
むしろ、アメリカで知られていて、ジョン・F・ケネディー
が尊敬する政治家としてあげている。
今、問題になっている従軍慰安婦の問題も、彼のことを
知っていれば起きなかったのかも。
と言っても、当時の軍部は威張り散らした馬鹿ばかり。
鷹山は、公娼を廃止します。情欲のはけ口で、その犯罪の
防止に役立っていると反対する者に対してこう言います。
「欲情が公娼によって鎮まれるならば、公娼はいくらあっても
足りない」。
公娼を廃止しても、何ら問題は起きなかったという。
「悪妻は百年の不作」と言いますが、
まさしくこの軍部の失態は「国の百年の不作」でありました。
悪妻と言いますが、菊池寛は悪夫についてこう言ってます。
「女性にとって、悪夫は百年の飢饉である」と。
第一の辞書
<「成」は「戊=まさかり」に「丁=くぎづけにする・平定する」で、
まさかりで敵を平定する意味で、ある事柄がなるの意味。>
第二の辞書
<「成」は「戈=ほこ」に「丁=打ってまとめる、固めるの意で打つの
原字」で、まとめあげるの意を含む。>
成蹊(セイケイ)
桃や李の樹の下に人が集まって、自然に小路が出来る。
そのように、徳のある人の所には自然と人が集まる。
成算(セイサン)
既定の計画。
事を成し遂げる見通し。
「それには成算があるのか」なとどと使いますね。
成事は説かず
出来てしまったことは、かれこれ云わない。
改心するよりも恨みを買うものですからね。
それに、仕出かした本人が一番反省しているものであります。
成心(セイシン)
先天的に持っている完全な心。
これは、カントの言うところの道徳律ですね。
と言いながら、あらかじめ持っている偏見とあります。
逆もまた真なりですか?
成竹(セイチク)
前もって心に描いている計画。
画家が竹を描く時、まず出来上がった竹のさまを心に描き、
その後に筆をとる所からいう。
確かに、風景画などはキャンハスに、頭の中で映しますね。
成丁(セイテイ)
一人前になった者。丁年とは20歳のこと。
成道(ジョウドウ)
仏の真理を悟る。=悟道
置換すると道成。道成寺ですね。
和歌山県日高川にある天台宗の寺院で、
本尊は選手観音様。
ここに伝わる道成寺縁起の中にあるのが、
安珍清姫伝説です。
成仏(ジョウブツ)
俗世の悩みを超えて、悟りを開くこと。
死ぬこと。往生。
死んでしまうと、百八の煩悩も亡くなります。
俗世の悩みどころか、姿まで消え去ってしまうんですよ。
朱熹の詩『偶成』。偶成とは突然思いつきで出来たものと言う意味。
少年老い易く 学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず 池塘春草の夢・・・
階前の梧葉己に秋声・・・
池の堤に春草の萌え出したころの、青春の夢に覚めないでいるうちに
時節は過ぎ、気付くと、きざはしの青桐の葉に秋風を聞く。
過ぎてしまえば全ては夢。
少年の時、青春の時、壮年の時。
一寸の光陰を軽んじたわけではないが、
過ぎてしまえは皆そう思えるのであります。
努々(ゆめゆめ)嘆く莫れ。
それもまた人生!
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
2014.9掲載再考
