言葉の物語
<沈ーチン・しずむ・しずめる>
<沈>のつく難読字に「沈黙=しじま」、「沈丁花=ちん
ちょうげ」が揚げられていました。
♪ 淡き光立つ俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつひとつ香り始める ♪♪
いい詩ですね。
松任谷由美の<春よ、来い>
日本の歌が外国人に受け入れられる第一の要素が、
歌詞にあると言います。
まさしく、吟遊詩人でありますね。
これなどは、むしろ朗読で聞いても、胸にジンと響いてき
そうです。
私の時代のアイドル歌手の時代は、とんでもない詩ばか
り。
シャンソンは語るように歌うと言います。
語っています。
シンガーソングライターは吟遊詩人。
第一の辞書
<「沈」は「水」に「冘=頭をしずめるまくらの象形」で、
水中にしずむの意>
第二の辞書
<「冘」は甲骨文字では「牛+川」からなり、牛を黄河
の底にしずめて「沈祭」という祭礼をおこなうさま。
「沈」はこれから水に沈めることを表す。>
もう一つ面白いことが描かれていました。
<「冘」は金文では「人」と「冖」印で、人間の首や肩を
重荷でおさえて深く下におししずめるさま。>
何故そんなことをの理由が第三の辞書でわかりました。
<洪水などの時、牛や羊を犠牲として川に沈めて祭る。
地中に埋めて地霊を祭るのが「薶=バイ・うずめる」。
合わせて沈薶という。>
人柱と言う言葉もあるように、
生贄は初めうちは「人」だったんでしょうね。
それから動物に代り、土人形にとなって行ったようですね。
沈腰
衰弱のひどいことのたとえ。
中国は梁の国の沈約が病気の為やせて、革帯の穴を移
した故事から。
痩せたか肥ったか、ベルトの穴の位置で分りますね。
沈飲
深酒。良く表していますが、「痛飲」の方が意味深そう。
沈魚落雁(チンギョラクガン)
素晴らしい美人の形容。これまたおおげさ?でも、そんな
美人いそうですね。
毛嬙(モウショウ)、麗姫(リキ)は人の美とする所なり
魚はこれを見て深く入り、鳥はこれを見て高く飛ぶ。
この美人たちを見て、魚や雁は恥らって身を隠すそうです。
同じようなことで、絶世の美人「西施」のことを李白はこう詩
にします。
秀色(月のこと)今古を掩(おお)い
荷花(はすの花)も玉顔を羞ず
これから出た言葉が、閉月羞花
月は雲間に隠れて、花は恥らいてしぼんでしまう。
ただ、こんな美人でも三日もすれば飽きるのですから、
遠目で眺めているに越したことはない。
沈黙は金
英語圏のことわざ。
「雄弁は銀」とつづきます。」
言葉多きものは品少なし
お喋りは下品だとです
黙に過言なし
口は禍のもと、昔も今も。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。