言葉の物語 <紙ーシ・かみ>
一昨日は「髪」。「神」については以前に勉強しましたので、
今日は「紙」。
ジョン・メーシーの『世界文学史物語』(角川文庫)の中に
「紙」に関した面白い話がありますので、そこを少し要約します。
≪「紙」ができるる前は、エジプトや中近東では石や粘土板に
文字が書かれていた。そして、羊か子牛の皮をなめしたものが
使われるようになる。
今日でも長期間保存する文書は羊皮紙(シープスキン)を使用する。
大学の卒業証書をシープスキンというのはこれによる。
古代の写本に使用した「皮紙=ヴェラム」は「子牛」の意味の
フランス語。
ペーパーの語源は、エジプト産の強い水生物パピルスから。
このパピルスの繊維をギリシア語でビブロスという。
これから「バイブル=本」という意味になった。
(聖書と言うのは後々のこと。)
英語の骨格を作ったサクソン人は「いぬぶな」の板に文字を書いた。
この「いぬぶな」をドイツ語で「ブッヘ」といい、「ブック」の元になる。
初期のローマ人は樹木の内皮に書いた。これが「リベル」と言われ
ライブラリー(図書館)の語源になる。
本を置く家具がて「テーブル」で、筆記用の紙の束が「タブレット」。
これらはラテン語の板「タブラ」から。≫
中国では、甲骨文字にはじまり、竹簡、帛(白い布)、
そして木の繊維から紙を作ることを発明し、
それがヨーロッパへ輸入され、グーデベルクの印刷機の発明
へと進んでいきます。
ジョン・メーシーはヘレンケケラーの恩師サリヴァン女史の夫だった人。
第一の辞書
<「紙」は「糸」に「氏=めつぶされた目の象形」で、繊維の目を
つぶして、平らになめした紙の意味。>
第二の辞書
<「糸」に「氏=薄く平らな匙の象形」で繊維を薄く平らな伸ばした紙。>
第一辞書の方が、納得ですが。
語源は「簡=カン」が転訛したものと。(これ竹簡からですね)
紙格(シキカク)
障子のこと。「ふすま」は「紙衾(シキン)」。
紙魚(シミ)
本や衣類などを食う銀色の小虫。
紙銭
棺桶に入れる六文銭の模造紙。
紙背(シハイ)
紙の裏のことで、文章の中に含まれている言葉の意味。
紙本
書画なと。
日本画は絵絹に描いた絹本と絵麻紙にかいたものがあります。
紙田を耕す
字を書いて生活費を稼ぐこと。
紙撚(シネン)
これを「こより」と訓じます。
紙子着て川に入る
無謀なことをして身を滅ぼすこと。
紙子は和紙に柿渋を塗って作ったもの。
和傘なんかもし柿渋を使ってますね、
紙子も襟祝い
どんなつまらなく見える物事にもそれ相応のしきたりがあるということ。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。