言葉の物語
<泥-デイ・どろ>
「泥酔」と言う言葉。「泥土のように正体もなくなるほどひど
く酔うこと」ですが、これには別の話が。
<「泥=でい」とは南海に棲むぐにゃぐにゃした虫で、水か
あれば動き、そうでないと酔ってどろのようになるという。>
この虫のようになる事を言うとありました。
第一の辞書に他の辞書もほぼ同じ。
<「氵=みず」に「尼=二人がなじむ」で、粘りつくの
意味。>
土が水によって粘り強くくっついたんですね。
泥は、主に低いところにある汚いものに例えられ(雲泥の差)、
また、足がぬかるみに取られるところから、素直に進行で
きないことの意味も持ちます。(拘泥)
ちなみに「くれなずむ」とは、日が暮れそうでくれないさまを
言いますが、これを漢字で書くと「暮れ泥」と書きます。
尾を泥中に曳(ひ)く
役人などになって自由でなくなるより、貧しくても自由な生
活を送る方がいいということで、『荘子』から出た言葉。
<楚の国に死んで三千年もなる神亀が、大切に箱に入れ
られ保管されているという。この亀と生きながらえて尾を
泥の中に引きずりながら自由である亀とどちらを望むだ
ろうか。>
占いに用いられる神亀として、そうそうに殺され尊ばれるよ
りも最下層の泥の中でも、生きながらえたほうが良いという
ことですね。
泥中の蓮(はちす)
泥の中のハスの花ですが、汚れた環境の中でもそれに染
まず美しさを保っていること(仏典・維摩経)。
一般的には、貧困家庭から出た美人、麗人を言うと。
これには別の話もあります。
<ハスの花のように、菩薩は世間の汚濁に染まることなく
清浄無垢な姿を表す。(法華経)>
といういうことですと。
春泥
雪解けのぬかるみのことで、春の季語。
今東光の小説で『春泥尼』というのがありましたね。
泥沙(でいさ)
泥と砂で、価値が低く惜しむに値しないもののこと。
泥を打ては゛面(つら)に撥ねかえる
人を呪わば穴二つ
天に唾する
と同じ意味。
泥をかぶる
泥を塗る
泥を吐く
と、まさしく泥だらけの言葉ばかりですね。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
