言葉の物語 <楽園ーらくえん>
昔から楽園はどの民族にも、憧れの地として想像されて
きました。
それは、この世のどこかにある。さもなくば、死後の世界
にと夢は膨らむのであります。
現在の世界を逆さにしたようなものですね。
働かずして物を得、老いることも死することも病にかか
ることもなく、心穏やかに暮らせる世界。
パラダイスですね。
画家たちはそれぞれの思いのパラダイスを描いてきまし
た。これに地獄絵図が対比されることが、しばしばみられ
るのはより楽園を効果的に見せる為でしょうが、
画家の想像力は、地獄のほうにより情熱が傾けられて
います。
この人間の性こそが、現実に楽園創出が出来ないこと
かも知れません。
どのような楽園があるか、少し調べてみました。
トマス・モアが理想国家として描いた『ユートピア』は、
ギリシア語のウ・トポスで、「何処にもない国」という
意味。
アヴァロン
ケルト神話に出てくる死後英雄たちが住む島。
アトランティス
プラトンの「ティマイオス」「クリティアス」に出てくる
理想的国家。
地震で一日にして水没したといわれる。
アルカディア
ギリシア南部にその名があるが、伝説的な牧歌的
理想郷。
エルシオン
ギリシア神話における死後の世界の楽園。
幸福諸島として大航海時代の夢と冒険をかきたてた。
エルドラド
南米大陸にあるとされる黄金郷。
シャングリラ
チベットで信じられているカイラス山の麓にあると
される。
桃源郷
中国の陶淵明の『桃花源記』に描かれる。
秦の時代、争乱を避けて逃げてきた人たちの子孫が
平和に暮らしている世界。
蓬莱山
仙人の住む所で、不死の仙薬があるといわれる。
徐福が秦の始皇帝をだまして、不老不死の薬を求め
に行ったところ。
後は旧約聖書に出てくる「エデンの園」「カナンの地」。
浄土教の「西方浄土」等ですね。
現世にないことは分っていますので、あの世に期待し
ましょうか。
有ると思えば死もまんざら悪いものではなさそうです
ね。ここでもう少しトマス・モアの『ユートピア』について
少し。
この国はモアが考える理想的な共産主義で、物資的
な財産は国の共有で、貧困というものは無い。そのた
めに貨幣というものも無い。
ダイヤモンドや真珠は玩具であり、いつまでも欲しがっ
ていると軽蔑される。
怠惰は罪とされるが、一日の労働時間は6時間で済む。
あとは読書、音楽、高尚な談話で過ごす。
肉体の健康が重視され、病気は罪とされる。
戦争をして人々が殺しあうよりも、賄賂をもちいたり、
敵の指導者を暗殺したりして、戦争を予防する方がは
るかに良いとされる。
だだ、徹底した管理社会です。
2016.11掲載再考
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦
