男の人なのにすごくきれい…

少しの間、先輩の姿に見とれてしまった。



『キーンコーンカーンコーン…』


その時、お昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


やばい、午後の授業が始まっちゃう。
写真もまだ渡せてないし、先輩も起こしたほうがいいのかな…
でももしかしたら起こしちゃ迷惑かも…

そう思って、あたしはまた出直そうと決めた。

起こさないように教室を出ようとしたその時、

「あれ?起こしてくれないんだ。俺 午後の授業サボることになっちゃうじゃん。」

後ろから声がした。
振り返ると、先輩が目を覚ましてそう言っていた。

「あ、ごめんなさい。えっと…」


急な出来事でびっくりしたあたしは、全然頭が働かなかった。


「俺に何か用?新入部員…ってわけじゃないよね?」

「あの、先輩に渡してほしいって頼まれたものがあって…。
 それを持ってきたんですけど、お昼寝中だったので出直そうかなって。」

「それで起こさないで帰ろうとしたわけか。優しいのか意地悪なのか。笑」

「ごめんなさい、やっぱり起こすべきでしたよね。」

「いいよ、冗談。笑
 どうせ午後の授業サボろうと思ってたし。それで、写真て?」

「あ、これです。」

ちえみから預かった写真を渡すと、先輩はすぐに中身を確認していた。

「あー、あの時の写真か。どーもね!ありがと。
 ところで、午後の授業大丈夫?笑」

「え?」

先輩にそういわれて時計を確認すると、もうとっくに授業は始まっていた。
どうしよう…とにかく教室に戻ろうかな。

そう思っていると、先輩がこう言った。

「一緒に…ここでさぼろっか。午後の授業。」

びっくりして先輩の顔を見ると、ちょっといたずらっぽい顔で笑ってた。

「ねえ…どうする?二人でここに隠れてる?」

先輩はもう一度そう言うと、急に顔を覗き込んできた。


今まで男の人にそんな風にされたことなんてないあたしは
多分ものすごく顔を真っ赤にして「大丈夫です!!!」
と言って軽音部の部室を飛び出した。


ドキドキがすごくて、息が苦しかった。