その1へ

 

こんにちは、絶學無憂です。

 

デーヴィド・ホーキンズ著「パワーかフォースか」について取り上げる、と言いながら、核心部分に迫らずにほったらかしにしてました。

 

 

なぜかというと、なんかしんどいんです。

 

前回は著者のホーキンズがどういう人かという紹介だけで終わってしまいました。

 

今回は本題に触れましょう。

 

この本は、「意識のマップ Map of Consciousness」というものを提唱しています。

 

これは何かというと、世界のあらゆるものの波動を、1から1000までの数字で測定して表すことができる、というのですね。

 

最近では波動測定を行う機械というようなものもあるようですが、この意識のマップが言っているのは、キネシオロジーの筋肉反射テストでこの数字が測定できる、ということです。

 

この数字は10を底にした対数になっているので、意識のマップの値が1増えれば、周波数は10倍になる、と定義されています。最低が10で、最高が101000と(10の1000乗、つまり1の右に0が1000個横に並ぶような数字)いうことです。

 

そして著者の主張では、何万回とテストをした結果、ものごとの真偽というのは意識のマップの値が200以上で初めて真になり、199以下は偽だとわかったそうです。筋肉の状態の強い、弱いで、どんな内容の質問であっても真偽の判定ができる、ということを本書は主張しています。

 

これに言葉を当てはめると、200というのは勇気です。175から199が誇りで、アメリカ海兵隊の波動がこの範囲だと書いてありました。

 

筋肉反射テストというのは、ご存知のように、筋肉がある条件に反応して強くなったり弱くなったりすることを調べるのですが、この意識のマップの考え方では、筋肉反射テストで、指標筋と呼ぶ、テストで調べるのに使う筋肉が弱くなる、ということは、その調べた対象のものが、意識のマップ200未満であるということを意味します。筋肉が強いということは200以上ということです。

 

 

これで500が愛とされ、700以上が悟りであるとなっています。

 

本のタイトルのパワーというのは、意識のマップ200以上のものが我々を力づけてくれるパワーを持っているということ、フォースというのは(スターウォーズのフォースとはあまり関係なくて)意識のマップ200未満のものというのは無理強いの強制力のことで、これらは我々の力を削ぐものです。

 

意識のマップというのはだいたいそんなものです。

 

ここから本書について批判を試みます。

 

著者は無数のテストを行って再現性が得られたので、条件を満たす限り意識のマップの数値は非常に正確だと書いています。マザーテレサもこの本を褒めたとか書いてあるので、信じたくなりますが、ホーキンズが行ったという無数の筋肉反射テストのテスト結果は公開されていません。ですからどんな結果に基づいてこれが正しいと言っているのか判断できません。

 

この本には、意識のマップの測定を行うには、または筋肉反射テストを正確に行うためには、テストを受ける人とテストをする人の両方が意識のマップで200以上であること、さらに質問の意図も200以上であることが必要だと書いています。逆に言えば、波動の低い状態のものや意識が関わってしまうと正確にはできなくなる、ということでもあります。これ自体は筋肉反射テストの性質そのものなのですが、本書の方法が問題なのは、意識のマップの測定のためには筋肉反射テストをせねばならず、筋肉反射テストのためには意識のマップの測定が必要なので、頼るものがない、ということです。

 

応用キネシオロジーやタッチ・フォー・ヘルスの体系の中には、筋紡錘チャレンジや経絡の逆撫でのような、事前テストというものが用意されていて、それによって、筋肉に関係しているエネルギー回路が正常かどうかを判定できて、筋肉反射テストの信頼性を維持することができるのですが、この本にはそのような検証方法が紹介されていないことが問題だと思います。

 

そして、それよりももっと問題なのは、このように波動測定による数値化ということを行うと、エゴの増大まっしぐらになりがちだということです。数字が大きいほど、波動が高い、つまり霊的に成熟しているという意味になりますから、嫌いな人間には小さな値が出てほしいとか、自分には大きな値が出てほしい、というエゴが入り込みやすいでしょう。俺はあいつよりも絶対波動が高いはずだ、とか無意識にでも思ってしまうでしょう。

 

何を隠そう、私も自分で自分の数値測定をしたら、最高値の1000が出ました。エゴ全開です。

 

こういうありえないような結果を筋肉反射テストで出してしまうのは、これは要はスイッチングとも呼ばれる、エネルギー状態の乱れの中にいるから正確な筋肉反射テストができなくなってしまっているのです。こういう失敗経験によって筋肉反射テストそのものへの信頼性が損なわれるでしょう。

 

そして、たしかに物事には何にでも周波数があるのだ、というようなことを宇宙人バシャールも言ってはいますが、人間を200以上のいいものと、200未満の悪いものにスパッと二分するというのは、二元性そのものであり、分離的なエネルギーだと思います。

 

ですので、この意識のマップがまったくの嘘であると決めつけることもまたできませんが、よほど人間ができているような人でもなければ、これを上手に使うことは難しく、特に人間の数値測定を安易に行うと、数字の大小で優越感に浸るようなエゴ全開の二元性の世界へ直結した危険性をはらんでいると思います。身長測定なんかと違って、明らかに200の上下で強い・弱い、善と悪、真と偽というのが切り替わりますからね。

 

私個人はこの意識のマップから入って筋肉反射テストを学んだことで、エゴの暴走も体験しましたし、思い切り間違ったテスト結果を振り回したりして問題を起こしたり、だいぶ回り道をしてしまいました。現時点での私の意見としては、この本の切り口ではあまり深入りしないほうがよい、と思います。

 

どうぞ注意されたし。

 

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