小さなもの | 或るひとつの物語

或るひとつの物語

不定期に詩を載っけます。



割れて取れかかった小指の爪
せっかく彼に好かれようと伸ばした爪を
切る勇気もなく
けれど切りたい衝動に駆られ、揺れる


ちっぽけで何の役にも立たないような
そんな小指に絆創膏を貼って

自分を見ているようだ



彼のひとつひとつが気になって
それに踊らされる自分も嫌

お願いだからもう構わないで
そんな顔をするな
いっそ嫌われた方が諦めがつくのに

彼の態度が嫌い

その曖昧な感じはなんなの


笑ったり、冗談言ったり、優しくしたり

でも、
欠伸をしたり、適当な相槌したり、黙り込んだり

なのに、また…


嫌い、嫌い、嫌い



それよりももっと自分が嫌い
こんな自分が嫌いだよ



どうしようもない衝動に駆られ、揺れる


切ってしまえば楽なのに

隠して保護してしまうの



この小指のように



この私のように