花と風 | 或るひとつの物語

或るひとつの物語

不定期に詩を載っけます。

花は枯れて死んでゆくのに
風は枯れても生きている

花には親がいてそこから生まれるのに
風には歳がなくどこからかやってくる


いろとりどりのセカイ

透明色のセカイ


"ねぇ、私を乗せてどこかへ連れて行って"


地に足を踏ん張るばかりで
前へも後ろへも進めない
今にすがった哀れなわたし

君とならここではないどこかへ行けると思うの

連れて行って、どこか遠く


わたしの知らないセカイ


"僕が連れて行けるのは君ではない"

"君の遺す子孫のみだ"

むしろもう連れて行った後と言おうか
君がそこにいるのは僕の気まぐれ

同じ時間に生きない君と僕は
今はただ交差点にいただけ

先に死んでしまう君たち一族を
ずっと前から見てきた


そしてこれからも



花と風


わたしたちは出会った

いつの日か


生きるスピードも生き方も全く違う僕らの時間が


交差する、ほんの少しのじかん





交差した。