現在は、西欧近代文明の延長上のハイテク文明社会になっているわけですが、あまりにもハイテク化が急速に進んでいるので、ついていけないところもあります。
ハイテクは儲かる(と思われている)ので、資本家は湯水のように既存のハイテク企業やハイテクベンチャーにカネをつぎ込んでおり、米国のハイテク株の比重の高いナスダックの天井知らずの上昇をもたらしています。
ハイテクにより、現在すでに、人間には全く見分けのつかない、AIでさえもフェイクと見抜けないようなディープフェイク動画を作れるようになっています。
言葉の上ではいくらでもウソをつけますし、新聞や書籍などの文字による文章もウソを書けますから一般大衆には事実かどうか判断することが困難です。
テレビの報道番組なども非常に偏ってますので、ネット上の動画情報が最も事実を確認するために重要だと思っていたのですが、動画情報でさえも、見破れないレベルのウソをつけるようになってしまいました。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』に『「嘘(≒抽象概念)を信じる能力(=だまされる能力?)」が社会組織を進化させ、巨大な社会集団(国家とか)を形成することが可能になって人類が地球の覇者になった』という趣旨の文章がありました。
この本を読んだときはなるほどと思いました、が、しかし、物事にはプラス面とマイナス面があります。
嘘を信じ込む能力(=だまされる能力?)がカルト宗教を出現させ、ヨーロッパ中世の魔女狩りや、20世紀以降でも『人民寺院集団自殺事件』のような悲劇的な事件を引き起こすこともあります。
若干脱線しましたが、「だまされる能力」というのは「能力」なのでしょうか?
詐欺(さぎ)師に騙(だま)されっぱなしでは、素寒貧(すかんぴん)になってしまうのではないでしょうか?
健康サプリで病気になったり、死んでしまったりするのではないでしょうか?
「だまされない能力」のほうが大事なのではないでしょうか?
しかし、AIでさえ見破れないディープフェイクをどうやって見破ることができるのでしょうか?
ドナルド・トランプ氏には信者と言えるほどのカルト的な岩盤支持層がいるようなのですが、心配なのはディープフェイク動画でトランプ氏が「毒入り〇〇〇〇〇〇を飲め(or食え)」と命令すれば、本当に飲んでしまう○○もいるかもしれません。
第二次世界大戦末期、人民寺院に似た状態になっていた大日本帝国では、支配層は「一億玉砕」とか言い出していたのですが、本当にみんな玉砕(「全滅」を美しく言い換えた言葉)するつもりだったのでしょうか?
最近、日本は第二次世界大戦開戦直前と似たような状況になっているような気がして不安です。
ひょっとすると、ずっと前からそうだったのかもしれませんが・・・。
ありがとうございます