髭剃りを旦那様にした翌日、すごく不安だった。顔に傷やなにかあったらどうしようって心配になり、不安で仕方なかった。祖母に娘をお願いし、旦那様の遺影の写真、お茶碗、お箸の準備をしに行った。旦那様の遺影は､旦那様が元気になったら本人の許可を得て返す予定だった写真かマイナンバーの写真かを言われていたので持って行った｡男性は顔にスーツで写真を着せて遺影にするようで、そういえば、スタジオアリスで旦那様と三人ではじめて撮った家族写真があったことを思い出した。その時のネクタイの色は思い出さなかったけど、スマホのアプリで確認できた。葬儀の方に見せると、これが自然でいい。あえてこちらでするより、これが一番いいと言って頂き、スタジオアリスで撮った家族写真を翌日持って行った｡遺影の背景は､家族三人で桜を背景に撮った写真があったので、背景は桜をお願いした。私と主人の馴れ初めを聞かれた。内容は伏せたが、私が精神的につらいとき、旦那様が支えてくれたことをお話した。私は、旦那様がいなかったら今、ここには生きていなかったこと｡旦那様には、感謝してもしきれないくらいの恩があり、まだまだ恩返しをしたかったことを話した。入籍のお話も聞かれた。喧嘩した時とかに、旦那様が結婚しようみたいなことを言われたけど､喧嘩した時とかに結婚は、ないかなぁーみたいな感じで、私からも旦那様に結婚の話はしたことあったけど、なんとなくスルーされたりしてたこともあり、いつかは、お互いの気持が一緒になったら、結婚するんかなぁーって感じだったことも話した。お付き合いしてどれくらいですか？って聞かれた。17年です。二人の間に7歳になる娘がいますって話した。戸籍が内縁になるので、普通は他人ですが、子供がいること、二人の付き合いの期間が長いことを知って、それだけ長いのであれば、籍ははいってないけど、奥様ですね。失礼しましたと葬儀屋の方に言われた。葬儀の喪主のところに私の名前と住所を書き、ここに妻って書いて下さいと葬儀屋の方に言われた。続いて、旦那様の名前と住所を書き、夫と書いた。主人が私に内縁ではなく、妻というプレゼントを最後にくれたんだと思った。葬儀の方に婚姻届にも妻なんて書いたことないのに、こんなのに妻ってはじめて書いたことを言った。涙が溢れでた。最後に旦那様から、こんな素敵なプレゼントを頂けたことに感謝しかなかった。