DIY防音対策でやってはいけないことは防音工事でやってはいけないことです
防音効果を無駄なく出すには遮音/吸音/制振/防振/の性能をうまく引き出すような材料の使い方にかかっています。
そのため素材について理解していないと無駄が出たり失敗することがあります。
これは防音材に限ったことではなく他の素材についても知っておかなくてはなりませんし、建物の構造も理解しておく必要があります。
それらのことを踏まえて対策を立てなければ失敗のリスクは減らせません。
本物の専門業者に工事を依頼するなら心配することはありませんが、DIY防音対策となると注意点が多く難しくなってきます。
そこで今回の記事は前回ブログに関連したことで、DIY防音でやってはいけない事(勘違いしがちな点)について書くことにしました。
私は防音工事を長くやってきているのでタブーは分かっていますし、それをDIY防音対策でもやってはいけないことを理解しています。
そしてDIYで防音をしたいと思う人の気持ちも理解しているので変な方向に進まないようにアドバイスをしたいと思います。
防音対策でやってはいけないこと
・とにかく安く済まそうとすること
これは誰もが思うことですが限度があります。
この考えは価格で対策方法が限られてしまうため、バランスを取ることが困難になり十分な効果を引き出すまでには至りません。
安くても効果が感じられないのでは意味がないですよね。
なので価格縛りで対策方法が限られるようなやり方は避けるようにしましょう。
考え方としては一旦価格のことは考えずに自分に必要なものを選び出し、そこから性能や他の素材との相性を踏まえた上で価格から選ぶようにするのがよいです。
そのようにして選んだものが最低限必要な費用となると考えるようにしてください。
効果のある防音対策を安く済ませるには、防音のベースとなる部分はしっかりやっておくことがポイントになるなるので、無駄なことは一切せずに大事な部分に費用をかけましょう。
大事な部分とは遮音(防振と制振を含む)です。
音を遮って減少させるにはこの部分をしっかり対策する必要があります。
ちょっと大袈裟なことを言うと、遮音/防振/制振/の対策をしっかりやっていれば吸音は食器洗いのスポンジでも間に合うくらいになります。(大袈裟だけど嘘ではない)
これが意味するのは吸音材を貼っただけでは音を通してしまうので本当の意味で防音にはならないということです。
そこでどういう遮音対策をするのがよいかになりますが、それは以前に別記事で書いているのでリンクからご覧ください。
リンクの記事を読めばどんな素材選びをすればよいかかが分かるので遮音効果もそれなりに出せると思います。
今回はやってはいけない事のアドバイスなのなで、安く遮音対策をしようとした場合にやってしまいがちな間違った方法を書いておきます。
それは
・石膏ボードの二重貼りをすること
手っ取り早く安く済まそうとして石膏ボードを重ね貼りしようと思う人も多いと思いますが、これは大きな間違いです。
二重貼りをするとコインシデンスといって遮音効果が落ち込む周波数帯が出来てしまい弱点を大きくすることになります。
詳しく説明すると長くなるのでここでは書きませんが、石膏ボードは元々そういう弱点を持っている素材です。
なので弱点を改善するために他の素材と組み合わせてバランスを取るようにします。
この記事の最初の方でも言っていますが、素材のことを理解していないといけないというのはこういうところにあります。
石膏ボードを二重にするメリットはほとんどなくデメリットの方が大きいので絶対に避けましょう。
ある一部の周波数帯で僅かに遮音性能が上がるだけなので効果は体感はできないし、反射音が強くなるので耳や頭が痛くなるような部屋になってしまいます。(部屋が小さければなおさらです)
無闇にやって窓やドアから強烈な音漏れをさせても何の意味もありませんよ。
(石膏ボード二重貼りの部屋に簡易防音ドアを入れても役に立たないなどが普通にあります)
石膏ボードは遮音材の1つですが、重ね貼りは意味がないと覚えておいてください。
防音工事を依頼するなら工事内容をよく確かめて依頼する業者を間違わないように注意してください。
これに関連して薄い遮音シートについても書いておきます。
・無責任な人達がDIY防音でオススメする1.2ミリの遮音シート
どの遮音シートのことを言っているのかはもう説明はいらないくらい書いているので要点だけ書いておきます。
ポイントは遮音性能を見ることです。
石膏ボードと比べてみれば一目瞭然で下回っているのが判ります。
それをあえて使う意味がどこにあるにかを考えてみてください。
石膏ボードの遮音性能で足りていないないから防音をするわけですよね。
そこへなぜ石膏ボードより遮音性能が低いシートを使うのか?
これも素材のことを理解していないことになります。
薄い遮音シートは密度が低く制振性能も僅かです。
DIYで用いて結果がどうなるか分かっていれば勧めることのない製品ですよ。
使ってはいけない商品ではありませんが、安いからという意味で使うなら役目が果たせないまま終わることになるのでよく検討してから購入するようにしてください。
これも何度も言ってきていることですが断熱材として使うグラスウールやロックウール を使うのも同じことが言えるで、そのようなものを使っても効果は引き出すのが困難で無駄が多いということを覚えておいてください。
無駄をしなければ要点に費用をかけられるので、ポイントを踏まえたDIY防音対策をするように心がけてもらえればと思っています。
プロだとか専門と名乗っていてもDIY防音の分野では以上のことを含めたいろいろなことが分かっていない業者が多いので、しっかりした防音対策を目指しているのであればお気軽にご相談ください。