DIY防音用に作られた商品は優れたものが少ない
DIYで防音対策をしようと思って商品を探しても様々なものが売られていているので何を選んだらよいのかわからない人が多いと思います。
実際の効果も分からないし自分の状況に何が必要なのかなど不安もありますよね。
防音とは吸音/遮音/防振/制振/が1つになって効果が発揮されるもです。
基本的にはこれらの役割がバランスよく組み合わさった時に大きな効果が発揮されるということになります。
このような仕組みがあるので1つの役割(素材)で防音対策をしようと思っても無理があって効果が上手くでないのです。
(当店では最低2つの素材を合わせる方法からオススメしています)
ショッピンサイトやホームセンターなどの量販店でDIY防音用に販売されているものを見ても、そのような内容のものは売られていませし説明もありませんよね。
それらの商品は防音グッズであって防音製品(工事で必要な材料)ではないからです。
価格も安いものが多く手軽に対策できるという要素が大きいだけで実際の効果は小さく優れた商品はあまりありません。
そのため音漏れで苦情のある人や騒音で悩んでいる人にはあまり意味のないものであり、そのような人が購入をしても失敗というケースが非常に多いです。
以上のことから初心者の人ほど商品選びが難しくなってしまいますよね。
そこで普段から質の高い優れた防音製品(防音材)を使っている私が良い製品の選び方につて説明していきます。
これを選べ!と勧めてしまうと当店の取り扱っている製品になってしまうので、この記事では役割や選ぶ際の基準について書きます。
無駄な商品は購入しなくて済むし、防音効果も得やすくなるので参考にしてください。
防音商品の選び方の基準
選ぶ基準は専門職の立場から見るといろいろあるのですが、それを初心者に説明しても難しくするだけなので商品同士を簡単に比較できるような方法を教えたいと思います。
それはどの防音製品にも共通することで、製品の密度(体積密度kg/m3)(面積密度kg/m2)を比較する方法です。
スカスカよりも身の詰まったほうが音を通しにくいと考えればイメージがしやすいと思います。
もうひとつは、密度が高いと重さも増すことになるので商品サイズと重さで比較するということもできます。
これなら初心者でも簡単に比較して選べるようになりますよね。
密度が高い=重い=性能が高い です!
なので同じ大きさで比べた時に重たいほうが密度が高く性能が高いとなります。
密度(重さ)が全てということではありませんがが、DIYの域を出なければ基本的にはこの考え方でOKです。
密度を基準に商品選びをしていけば効果のショボいものは選ばなくなるし失敗のリスクも下がります。
これで密度の低い商品は=軽い=性能が低いということがある程度は分かったと思います。
手軽に扱える防音グッズはほとんどこういったものばかりなのでよく確認してみてください。
当店は密度だけではなく重さも記載していますよ。
※このブログ内の記事や他の場所でも度々書いていますが、商品説明にあるデータ(グラフ/数値)は試験場の結果であり住宅で出る結果ではないと伝えています。
試験場は住宅よりも効果が出やすい環境で計測しているので単なる最高値として見る目安です。
そのようなデータを基準にしても初心者があてにできるデータとはならないので初心者のDIY対策なら密度で選ぶほうが分かりやすいです。
実際の選び方
まず第一に密度の記載がないものについては除外することです。
そういう商品は質の低い防音グッズが多いのでなるべく大きな効果を望むなら使う必要がありません。
防音効果を出すには価格の安さや手軽さを重視しても意味がないので、価格は性能に見合ったものかという点から見るようにしたほうがよいです。
もうひとつは取り扱っている製品の種類が多すぎるところは気をつけてください。
DIYで使える質の高い製品はそこまで多くないし、効果を出す素材の組合せが確立しているならそんなに数は要りません。
独自のノウハウがなく素材の特徴を理解していないため建材などを寄せ集めただけの可能性があります。
当店の防音素材は全部で5種類と少ないですが、吸音材をロックウールボードに変更するだけで木造住宅でグランドピアノが深夜でも演奏可能な防音室が作れます。壁厚も既存壁から約10センチ増しでスペースは確保されていて圧迫感もありません。
木造でそれだけの効果を出すのは非常に難しいことなんですよ。
当店の防音材はそのような工事に使ってきた素材で、私はそういう施工技術を持っています。
では実際にどのように選べばよいのか吸音製品と遮音製品に分けて説明していきます。
吸音製品
グラスウール/ロックウール/ウレタン/ポリエチレンなど
色々な素材の製品がありますが、基本的には密度の高さを見て判断すればOKです。
吸音材の密度の単位はkg/m3(体積密度)で表記されています。
体積(厚み)の違うものに関しては、体積が大きくなるほど密度が低くなり、体積が小さくなるほど密度が高くなると考えてください。
グラスウール/ロックウールはむき出しで使えるものではなく壁や天井内部で使うものなので、壁や天井の石膏ボードを撤去して内部に入れる作業をしないのであれば使わないほうがいいです。(害はないとされているが支障をきたす人もいます)
ロックウールボードは私も工事では使っていて性能が高いことを知っていますが、初心者には全く向かない素材なので避けたほうが無難です。理由→ロックウールボードというもの
ウレタンに関してのメリットは比較的安価ですが経年劣化でポロポロとカスが落ちてきて性能も低下します。
ちなみに当店で扱っている吸音材はポリエチレンウールで、少なくとも20年は劣化せずに効果を維持します。価格は若干割高かもしれませんが長期的に見れば費用対効果は高くなります。
このようなもので防音効果を出そうとしても無駄が多くて勿体無いだけです。
遮音製品
遮音シート/遮音マット
遮音材は音を遮る素材ですが防振/制振の性能も含みます。
重さや柔らかさ(柔軟性)のバランスでその性能も変わってきます。
設置面が重くなれば剛性が強くなって揺れにくくなり、柔軟性の加減で振動を伝えにくくするという感じです。
一般的に購入できるものは建材メーカーの物になりますが、遮音製品はゴム系/アスファルト系が主になり建材メーカー以外の物もあって特製も様々なものがあります。
鉛シートなんかもありますが害があるし住宅で使うにはメリットがないので無視でいいです。
密度の単位は吸音材とは違いkg/m2(面積密度)になります。
難しく考える必要はなく数字が大きければ性能が高いということになります。
当店の製品で言うなら、遮音マットM3(6.1kg/m2)よりもアスファルト遮音シートP2.4(7.9kg/m2)で同じ面積でも薄い方がが約1Kg重たく性能が高いです。どの素材も遮音/防振/制振性能が高いですよ!→防音材のページ
密度が高いほど音を遮る性能が高いということになりますが、DIYで使う場合は限度もあるので自分の部屋や技量によって扱える範囲の重さのものを選ぶようにしてください。
業者に頼らない場合は施工性の問題があるので使い方をチェックしておいたがよいでしょう。
注意する点は遮音材のみでは使わずに基本は吸音材や制振材と組み合わせて効果を出します。
遮音材のみで対策をしても場所によって効果が大きく削られたり、性能が高いと音の反射で悪影響が出たりするからです。
組み合わせは自分で試すのも時間がかかって難しいので、遮音材は専門業者で購入して施工方法をレクチャーしてもらったほうが無駄がないと思います。
失敗のパターンとしては、薄い遮音シートを直接壁に貼ったり床に敷いたりして効果が出ないというのが多いです。
DIYの施工方法では工事のような仕組みを作るのが難しいのでそのように使うことが多くなります。
そのようなことから自分の扱える範囲で性能の高い素材を選ぶ必要があります。
製品にも特性があるし施工方法で効果の出方も変わってくるので、なるべくなら専門業者のノウハウを使ったほうが良い防音対策になります。
制振材
制振材は振動を伝えにくくして共振を抑えたりする素材なので密度が高ければいいということではありません。
音を通す通さないではなく振動を抑える目的で使うので、吸音材や遮音材と組み合わせてバランスをとり効果を引き上げるものと考えてください。
使い方(工法は)専門業車なら独自のノウハウを持っていますし、自社の扱う製品とマッチする制震材があるはずです。
制振材を使う場合は吸音材や遮音材と相性の良いものを選ぶ必要があるので、1つの業者で材料を揃えるのが好ましいです。
当店のDIY防音対策では天井/壁/床の全ての場所でお客さんの部屋の状況に応じて組み合わせを変えて使っています。
まとめ
以上が私の経験から言えるDIY防音対策をする上での優れた防音材の選び方になります。
いろいろ書きましたが要はスカスカの軽い製品よりも身の詰まった重い製品のほうが音を通しにくいということです。
これで*効果抜群!*効果絶大!*コスパ最強!などのワードに騙されることもなくなります!
ポイントは
・製品の密度(体積密度kg/m3)(面積密度kg/m2)の高さを比較する。
・密度が高いということはそれだけ重たく性能が高い。
・防音効果を重視するなら価格を優先しない。
・吸音材のみの対策は密度が高いほど良い。
・遮音材は自分が扱える重さまでにする。
・制振材は密度ではなく他の素材との相性を重視する。
これらを参考にして製品選びをすれば、DIYでやる防音対策では高めの効果が出る対策ができると思います。
少し難しいなと思った人は当店にご相談ください。
取り扱っている防音材はどれもトップクラスですし、組み合わせ方も確立しています。
どのような住まいでどの部分を対策する場合でも適した組み合わせで高い防音効果が出せますよ。
▼遮音材の防振性能