これまでの記事で、
・音には「空気音」と「振動音」がある
・建物の構造によって音の伝わり方が違うという話をしました。
マンションの騒音相談で一番多いのは、上の階の足音です。
そして実際に防音対策をしても、「思ったほど効果がない」というケースも少なくありません。
これは防音材が悪いというより、
足音という音の特徴が関係しています。
今回は、なぜ足音対策が難しいのかを説明します。
【足音は「衝撃音」】
足音は音の種類でいうと、衝撃音(しょうげきおん)に分類されます。
衝撃音とは、物がぶつかった瞬間に発生する振動の音です。
例えば
・足を床につく
・物を落とす
・椅子を引く
こういった音です。
足音の場合は、足をつく→床が振動する→振動が建物に広がる
という形で音が伝わります。
つまり、建物そのものを振動させる音になります。
【建物全体に振動が広がる】
足音が難しい理由はここにあります。
振動は、床→壁→天井
というように建物の中を広がっていきます。
そのため、音の発生した場所と違う場所で聞こえることもあります。
例えば
・真上ではなく斜め上の部屋
・隣の部屋
などから音が聞こえることがあります。
これは建物の中を振動が広がるためです。
【防音材を貼っても止まらない理由】
防音の相談では、「防音シートを貼れば止まりますか?」と聞かれることがあります。
ですが足音の場合、音が壁を通ってくるとは限りません。
建物全体が振動しているため、振動が床・壁・天井など、いろいろな場所から伝わることがあります。
そのため、壁だけ(部分的な)対策をしても止まらないということが起きます。
【足音対策の基本】
足音対策の基本は、振動を減らすことです。
例えば
・床にクッション性のある材料を使う
・衝撃を吸収する
・振動を建物に伝えにくくする
といった方法です。
ただし、ここで勘違いされやすいのですが、クッション材を敷けば簡単に足音が止まるわけではありません。
ホームセンターやショッピングサイトでは「敷くだけで防音」と書かれた商品も多くありますが、
足音のような衝撃音は、建物を振動させて広がる音なので、薄いマットなどでは思ったほど効果が出ないことも多いです。
※等級などの表示がある製品でも、私が防音工事をしていた頃は、他社で施工した防音工事が期待した効果が得られず、そのやり直しを行うケースが少なくありませんでした。
足音対策は
・衝撃をどれだけ和らげるか
・振動をどれだけ減らせるか
・階下に抜ける音をどれだけ減らせるか
が重要になるため、対策の方法によって効果は大きく変わります。
【足音対策が難しい理由】
ここまでの話をまとめると、足音対策が難しい理由は
・衝撃音である
・建物を振動させる
・振動が建物全体に広がる
という特徴があるからです。
そのため、空気音のような対策では効果が出にくいのは明らかです。
【防音対策は音の種類を知ることが大切】
防音では、音の種類を知ることがとても重要です。
音の伝わり方を理解していないと、防音材を使っても「思ったほど効果がない」という結果になることが多々あります。
音の種類や建物の構造を理解して、
それに合った対策を考えることが大切です。
◇ここまでのまとめ
このシリーズでは、
① 音には2種類ある(空気音と振動音)
② 建物によって音の伝わり方が違う
③ 足音は衝撃音なので対策が難しい
という、防音の基本を説明しました。
防音対策では、音がどのように伝わるのかを理解することがとても重要です。
▼前回の記事
▼DIYで防音室を作るシリーズ
▼ホームセンターやショッピングサイトの商品について
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