ある事務所の方から、打ち合わせの話し声対策についてご相談をいただきました。

 

「簡易防音はすでに行っている」とのことだったため、

正直なところ、他所の業者が中途半端な施工をしてしまったのではないかと思っていました。

 

しかし実際に図面や写真を確認してみると、

行われていたのはパーテーションで空間を区切っているだけの状態でした。

 

この「パーテーション=防音」という認識ですが、

これは決して間違いではありません。

 

空間を区切るという意味では、確かに“対策をしている”状態です。

 

ただし、

それが防音として成立しているかは別の話になります。

 

今回のケースでは、パーテーションの上部が大きく開いており、

天井との間に隙間がある状態でした。

 

この状態では、音は上から簡単に回り込みます。

 

 

 

つまり、

壁にどれだけ手を加えても、音はそこを通らず、

上からそのまま抜けてしまうため、対策の意味がなくなります。

 

さらに言えば、一般的なパーテーション自体には

遮音性能はほとんど期待できません。

 

このように、音の逃げ道が大きく残っている状態では、

何をやっても効果は限定的で、

場合によってはほとんど変化を感じられないこともあります。

 

防音というのは、

ある程度の気密性が確保された空間の中で、

遮音・防振・制振・吸音といった対策を組み合わせて初めて成立します。

 

逆に言えば、

気密性が確保されていない状態では、

その後に何を追加しても成立しません。

 

今回のようなケースでは、

新たに間仕切り壁を設けるなどして、

空間としてしっかり区切ることが前提になります。

 

そのうえで初めて、防音施工が意味を持ちます。

 

なお、このような認識のまま他所に相談すると、

「難しいですが、この商品なら多少効果があります」といった形で、

実質的には効果の薄い対策を勧められてしまうケースも少なくありません。

 

そして結果が出ず、無駄な出費になってしまった後に、

改めてご相談いただくことも多いです。

 

私は、状況を見て成立しないと判断した場合には、

無理に商品を勧めることはしていません。

 

無駄なことに費用をかけてしまうくらいであれば、

最初から正直にお伝えする方が良いと考えています。

 

DIY防音というのは、

ただ何かを追加することではなく、

「成立する条件を満たしたうえで対策を行うこと」だと思っています。

 

極力無駄が出ないように対策を考えることも、

防音の大切な一部です。

 

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