2023年(令和5年)3月策定の荒尾駅周辺地区都市再生整備計画。
計画期間は、2023(令和5)年度~2028(令和9)年度までの5年間とされています。
荒尾市大島、大正町1丁目、昭和町の一部、万田の一部、宮内出目の一部の区域91.2haにおいて、拠点づくりに関連する事業を実施に必要な事業の概ね5割が交付される予定となっています。
例えば、まちなかウォーカブル推進事業において、JR荒尾駅と南新地地区のあらお海陽スマートタウンを結ぶ市道「荒尾駅停車場線」では、荒尾市のシンボルロードに位置づけ、滞在快適性向上区域のメイン事業として歩道の拡幅やベンチ、パークレット(車道との間に柵、机・椅子、プランターや駐輪スペースなどを設置した小さな空間を創出し歩行者が滞留できる)を整備。
200mの区間整備を開始が令和7年度、終了10年度を期間として進められる予定となっています。
さて、その中心にあるJR荒尾駅は、1944(昭和19)年に整備され、その形状を残す駅舎としてレトロな雰囲気を醸し出す一方、駅周辺地区の東西分断やバリアフリー未対応等の課題を抱えています。
よって、南新地地区のウエルネス拠点施設や公園緑地などの整備だけではなく、JR荒尾駅を含めた中心拠点エリア一体においての利便性向上を図るため、駅舎及び駅前広場のバリアフリー化を含めた改修、東西自由通路の設置、東口の整備が進められる予定となっています。
予定では、JR九州との協議も行いながら、令和7年度に基本計画策定に着手できればと想定されています。
具体的になっていくことで、都市再生整備計画に落とし込んでいくことになります。
費用の問題も当然に、今後の課題として出てきます。
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法) が、2006年に施行しましたが、2021年に改正され、国は高齢者、障がい者等の移動が円滑となるよう、公立の小中学校で校舎を新築する際などに、車いす利用者用のトイレやエレベーターを設置することが初めて義務づけられました。
また、対策が遅れている地方の鉄道の駅やバスターミナルなどのうち、1日平均の利用客が2000人以上3000人未満の施設について、新たに自治体と協議したうえでエレベーターやスロープなどの整備を進めるとしています。
令和3年度末の鉄道駅において、平均利用者数が1日に3000人以上かつ基本構想の重点整備地区内の生活関連施設に位置づけられた駅の93.6%(3135駅)でエレベーターや段差解消設備が設置。
81.2%(2718駅)で、ホームからの転落を防止する設備が整備。
また、41.6%の駅で視覚障害者用誘導ブロックが設置され、障がい者対応型トイレは91.9%の駅で整備されているようです。
一方で、おおよそ5800ヵ所あると言われる、1日平均の利用客が3000人未満の駅で、段差が解消されたのは23%程度に止まっている報道がありました。
改正法では、1日平均の利用客が2000人以上の駅などでバリアフリー化が進められるようですが、自治体が「基本構想」を作った上で、高齢者や障がい者の生活に欠かせない施設だと位置づけることが要件となっているようです。
JR荒尾駅においても、バリアフリー化を望む利用者の声は高まっています。
着実に進めらることを、今後の議会でも求めていきます。
2022年度のJR九州の駅別乗降客数を見ると、1日当たりの乗降者数では下記のようになっていました。
南荒尾駅 285位 306人 鹿児島本線
大牟田駅 77位 2105人 鹿児島本線
玉名駅 79位 2085人 鹿児島本線
新大牟田駅 237位 488人 九州新幹線
新玉名駅 250位 433人 九州新幹線
荒尾駅は、2019年には2044人とのデータがありますが、2020年に776人。
2021年835人と乗降客数が急激に減少した背景には、2020年当初から全国的に始まったコロナ禍による鉄道利用者の減少が大きな原因と言われています。
JR九州の度重なるダイヤ改正は、コロナ禍による乗客の減少傾向に対応するため、コスト削減を図る列車本数の減、駅の無人化、切符の販売窓口廃止など利用者本位ではない経営の効率化が進められ、荒尾駅では令和4年10月1日から営業時間がお昼12時までと短縮されました。
コロナが昨年5月8日から、季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行し、経済活動が活発化になっていますがJR九州は、不動産事業などの関連事業で利益を上げていることで、鉄道事業での利用者が戻ったとしても以前のような列車本数は期待されない。
それどころか、さらに利用者の利便性向上は低下していると思うところです。
周辺自治体とも合わせ、利便性向上の要望活動は必要となっています。