歌手のいしだあゆみさんが逝去されました。



いしださんを有名にしたのは「ブルーライトヨコハマ」じゃないの?と思われる方が大多数だとは分かっているなかで、もうひとつの港町・神戸の「ちょっと懐かしい」時代へのタイムスリップの旅にみなさんをお連れいたします。



 かつて存在した家電量販店のお話。



「音と光と暮(ら)しのデパート 星電社」



いしださんの歌声に格調高いオーケストラ演奏……はっきり申して近年の家電量販店の安っぽいテーマソングとは比較にすらならない、高き文化の薫りを感じさせる楽曲となっています。





「星電社」。

「せいでん」「Seiden」の名でも知られる、かつて日本一の規模を誇った家電量販店であります。



星電社は俗に言うところの太平洋戦争終戦直後、昭和20年(1945年)11月、神戸・三宮センター街で創業します。その名は、暗闇を照らす「星」から。焼け野原で暗い三宮のまちを照らす存在でありたい、との創業者の思いがあったのでしょう。



昭和41年(1966年)に三宮の本店が増築開業し、日本初の都市型大型家電量販店となりました。先のテーマソングはこれを記念して「星電社コマーシャル・ソング」の名でこの年にリリースされたものです。私が知る限り、おそらく日本初の家電量販店によるイメージソングの完成でありました。



神戸を中心に近畿全域(滋賀・和歌山を除く)、名古屋市内および小牧の中部圏、そして東京・神奈川・千葉と首都圏の都市部にも出店、この歌がリリースされた3年後の昭和44年(1969年)には神戸・三宮を頂点に全国70店舗を持つ業界最大手に立ちます。



その後、昭和47年(1972年)に創業者は「損得よりも商売の善悪を優先する」として、営業エリアを兵庫県周辺に絞り、リージョナルチェーンとする構想を示します。それにしたがい店舗網こそ縮小したものの、昭和53年(1978年)には中播の中心都市たる姫路に「姫路本店」を開設するなどの意欲的な出店に加えて「御用聞き」制度を確立することで、量販店の形態を取りつつも顧客との絆を重んずる営業スタイルを構築していきました。



売上のほぼ半分を稼ぎ出す三宮本店は神戸のショッピングエリアの中心である三宮センター街に面していて、モダンで高感度な地に相応しい家電量販店として、神戸のひとびとに新たなライフスタイルを提案する場所として、いつも多くのお客さまで賑わっていた記憶があります。賑わっていた……というよりも、ごった返していた、と申した方が適切かもしれない。人を掻き分けないと先に進めない。星電社隆盛のころの幼き私の記憶であります。



 衰退……そして消滅へ。



ただ、まちの衰退の流れには抗えなかった………




現在の神戸ハーバーランドumieの東側に、

大型店「せいでんハーバーランド店」が存在した。



平成4年(1992年)にまちびらきとともに出店した大型店「せいでんハーバーランド店」の失敗に加えて、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災(阪神大震災)では屋台骨であった三宮本店が被災、長らく縮小営業を余儀なくされたのです。モータリゼーションによる郊外店の台頭、さらにはリージョナルチェーンゆえのバイイングパワーの衰えが拍車をかけ、販売力を失っていった「星」は、もはやみずから光を放つことができなくなり………



平成14年(2002年)には民事再生法を適用し事実上の経営破綻。紆余曲折を経て、平成21年(2009年)には「せいでん」ブランドを再建スポンサーであるヤマダ電機の〈LABI〉〈テックランド〉に転換。法人格としては残り続けた星電社も、令和3年(2021年)にヤマダに吸収されるかたちで消滅しました。



 ふたたび「星」が光を放つとき。



「LABI三宮」の正面玄関には、ありし頃の

星電社のロゴが掲げつづけられている。



「星電社三宮本店」は、建物はそのままに「ヤマダ電機LABI三宮」の看板を掲げています。私も星電社の家電とともに育った人間のひとりとして、ここが「Seiden」でないのがものすごく寂しい。でも、戦後の焼け野原から、まちを、ひとを照らしつづけてきた偉大な「星」が、ここから光を放っていたことだけは、忘れたくないなと。



星のように きれいな灯り

街の窓に きらきらついた

あの家(うち)に この家(うち)に

夢ともす 星電社

音と光の暮しのデパート 星電社

(※仮名遣い等は原作者の意思を尊重しそのまま転記)



いとしの星電社、われらの星電社。

いつか、復活の時を夢見て。



↓↓星電社コマーシャル・ソング↓↓




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