和歌山城近くに聳える和歌山県庁本庁舎。
(和歌山市)
おくやみごとのトピックが続きますが、和歌山県の岸本周平知事が14日朝に倒れられ、翌15日に逝去されたという衝撃的なニュースがありました。敗血症性ショックということであります。特に驚いたのは前日には大阪・関西万博の会場に出向き神輿を担いでいたというので、写真を拝見する限りお元気な表情に窺えるのですが、人の命とは本当にわからないものだと感じております。
走り抜けた3年間。
岸本知事はXでも発信されていたように、知事在任の3年間、非常に精力的に活動されていて、交通網が悪い県内において県庁のある紀北から「陸の孤島」などと揶揄される紀南まで、県域を駆けずり回っていた印象がございます。実際に倒れられた当日14日は新宮市でのタウンミーティングに参加予定だったとのことで、東大から財務省に進んだエリート中のエリートでありながらも、市民生活に寄り添った知事として知られていました。
掲げたブランディングは未達に。
白浜の景勝地のひとつ、三段壁。
(白浜町)
和歌山県は自然に抱かれた風光明媚な地域で、くだものをはじめとする多くの県産品を持つ自治体でありますが、目下の人口減少、高齢化による1次産業の担い手不足やENEOSが有田市の和歌山製油所を閉鎖したような県内産業の県外移転によるシュリンクなどが課題として挙げられております。そのため、岸本知事は1次産業の活性化と観光産業の質的転換により和歌山のブランディングを図ると述べておられますが、はっきり申してこれでは甘い。
紀ノ川沿いに広がる「桃源郷」。
(紀の川市)
そもそも都市が基盤となっている基礎自治体でなくて、もともと単一で文化圏を創出していた北海道と沖縄県を除く広域自治体としてブランディングをやるという思考に無理があるというのが私の強い信念でありまして、たとえば旧五国(摂津・播磨・丹波・但馬・淡路)を包含する兵庫県が統一してブランド化することは不可能です。これはどこの自治体の方にも目を合わせてお話ししていることなので臆せずに申しますと、総花的な提案では結局なにも見えてこないのです。ありとあらゆる売り物をただ並べるだけではただの物産展でありまして、それで地域の差異を示す手法はもはや限界。ですからターゲットを明確にして、そのターゲットに見合ったあらゆるブランディング施策をすることがキーになるのです。
加えて、それが地域活性化を目的とするならば、具体的な目標値の策定も重要。目標達成のためにブランドレギュレーション(≒指針)のなかで必要な施策をフレキシブルに打つことで、地域共創の絵姿が浮かび上がってくるのです。現下、県内でいくつも活性化のための取組がありますが、この意味においての「まとも」な地域共創の施策なんて私は耳にしたことがありません。
ストーリーを重視したブランド戦略を!
私が尊崇の念をもってやまない小林一三翁の出身地であられる山梨県、そして福島県も農業県でありますが、これらの地域は蚕の養殖のための桑畑が多い地域で、いわゆる太平洋戦争以後の製糸産業の衰退によりくだものの栽培がさかんになった歴史と聞いております。和歌山県とは桃の収穫量で競っている岡山県も明治以後、柑橘の二大産地のひとつである愛媛県も本格的な栽培、品種改良が実施されたのは戦後のことであります。和歌山県のくだもの栽培は安土桃山時代にまで遡り、山地が多く地質が米作に向かない状況下において、生業を立てるためにくだものの栽培が積極的におこなわれた歴史があります。それを和歌山藩初代藩主である徳川頼宣公が積極的に推進して、みかんや梅を中心にした果樹が主たる産物となったのです。かかる歴史なども紐解くと、現下の県政のありように物足りなさを感じるのであります。
和歌山のルーツ・和歌の浦。
(和歌山市)
少し手の内を明かしますと、私は「和歌山県」としてのブランディングは考えておりません。もともと「和歌山」は聖武天皇行幸の折に天皇みずから「明光浜」(あかのうら)と命名された和歌の浦をルーツに持つ和歌山城下町を中心とした都市ブランドとしてブラッシュアップするべきでありますので、そうではなくて、県内を文化的ないし心理的結合が認められる地域をいくつかのブロックに分け、それごとにブランディングをやって、最終的に旧国名に因んだ「きのくに」の多様性に結びつけていく。逆を申せば「きのくに」にいくつかの強力なブランドがぶら下がっているというイメージであります。
これまでを総括して、次に進め!!
和歌山県はみかんだけでなく梅の栽培でも日本一。
(みなべ町)
岸本知事をこういうかたちで失った悲しみは深いものであります。しかしながら、和歌山県が悲しみに打ちひしがられている間も、ライバルたちは粛々と手を打ってくるでありましょう。殊にくだもので日本一のポテンシャルを誇る和歌山県が立ち止まっている「いとま」はないのであります。岸本知事の県民に寄り添う理念はしっかり継承しつつ、新知事にはその積み残した荷物をどうするのか、より具体的なビジョンの策定が求められます。
なお、今後の和歌山県内の地域ごとの課題の洗い出しとその解決策については「note」の方に記していこうと思っております。ご期待いただければ幸いです。
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