記事をお待ちのみなさん、お待たせいたしました。
2日ディレイでお届けいたします。
令和7年1月29日、名古屋市住宅都市局および民間からなる「熱田神宮周辺エリアプラットホーム」が承認され、「熱田神宮周辺まちづくり未来ビジョン」の策定および公開がなされました。
新たな観光文化施設の誕生に地域の期待が集まる。
熱田神宮周辺には名鉄神宮前駅、JR熱田駅のほか、地下鉄名城線の熱田神宮西、熱田神宮伝馬町の両駅のほか、名鉄神宮前駅の周辺にはバスターミナルも整備される交通拠点となっています。また名鉄神宮前駅は名鉄線のすべての電車の停車駅となっていて、ミュースカイでセントレア(中部国際空港)まで最短21分で結びます。
交通結節点としては抜群のロケーションにあり、加えて熱田神宮や旧東海道で最大の繁栄をきわめたという旧宮宿、愛知県最大の古墳で宮簀媛命(みやすひめのみこと/※日本武尊の妻として熱田神宮の創始に深くかかわる)が埋葬されていると伝わる断夫山(だんぷさん)古墳などの歴史を伝える場所、また白鳥(しろとり)公園、名古屋国際会議場などの文化施設も数多集まっています。しかしながら、それらのポテンシャルがじゅうぶんに活用できていないという指摘も多く聞かれていました。
計画対象エリア。
本ビジョンにおける計画エリアは次のとおりです。エリアプラットフォームでは熱田神宮、旧宮宿、断夫山古墳のエリアを「熱田神宮周辺エリア」として取組を進める一方、白鳥公園および名古屋国際会議場からなる「白鳥エリア」は取組の連携を目指すエリアとして位置付けています。
取組を実施するにあたり、熱田神宮周辺エリアを以下の3つに分けて整備を進めるとしています。
・熱田神宮・駅前ゾーン
・旧宿場町・七里の渡しゾーン
・古墳・社寺集積ゾーン
神宮・駅前ゾーンにおいては4つの駅前において観光案内等の機能充実、神宮周辺の景観および活性化施策に主たる視点が据えられています。
こちらが現況の神宮前駅。
先日ご紹介した観光商業施設「あつたnagAya」の和風の屋根が特徴的な景観をつくり出しています。
手前には大津通が走り、神宮と駅を隔てます。
車道部分はアスファルト舗装ではなく、耐久性と燃費にすぐれたコンクリート舗装であることから、大型車の通行が多いことを窺わせます。
(出典:(公財)名古屋まちづくり公社)
こちらは名古屋都市センターが纏めた主要地方道および都道府県道におけるコンクリート舗装の割合を示したものですが、名古屋市が突出しています。一般国道に至ってはその比率はもっと上昇して、およそ3割がコンクリートによる舗装を実現しています。やはり産業都市であることを感じさせるものです。
↓↓あつたnagAyaのルポ↓↓
つぎに旧宮宿エリアです。
神宮南門から宮の渡し公園までまっすぐに赤い動線が引かれていますが、この矢印上にあたる国道1号線の写真がこちら。
神宮南門から国道1号線を見ていますが、なんと中央分離帯で仕切られていて南側(旧東海道側)には渡れません。
ここもやはりコンクリート舗装が採用されています。
熱田神宮の西側には白鳥公園・国際会議場などの施設が整備されています。
こちらが白鳥庭園の夜間ライトアップのようす。
こんな美意識の高い提案が名古屋にあるのですから、もっと多くの方に認知いただきたいものですが……
ただ、この動線上にある白鳥公園周辺はご覧のようすで、もろ生活道路であります。白鳥公園がより地域のみなさんに親しまれるものにすることも大切ではありますが、ここに観光客が押し寄せるとなると、特に住宅地における夜間の安全性が脅かされる可能性も否定できないと見ております。
回遊ネットワーク。
次に歩行者の回遊ネットワークを見ていきます。
とりあえず線を引いてみました感が強く、この通りに機能するかは大きな不安を持ちます。駅の分散によって観光拠点が定まっていません。
次にモビリティネットワークです。
これも申し訳ないのですが、線を引っ張った感の強いもので、こうなれば良いよね、という構想的なものと理解しています。
きわめて厳しい所感。
これは私としては申し伝えたくないことを勇気を振り絞って、あえて記すことにいたします。
名古屋市における戦後都市計画の非常に重要な点として道路の拡幅が挙げられますが、殊にこの熱田神宮周辺では完全に仇になってしまっている。賑わいが道路によって、ものの見事にぶったぎられ、面的な繋がりが意識されにくいのです。加えて、神宮も大きな道路に囲まれ、都市部と港湾・工場を往来する大型トラックがひっきりなしに往来しています。この地区の住環境についても、決して良いとは思いません。また、七里の渡し跡や旧東海道、白鳥庭園や断夫山古墳へのルートは住宅地を往来することになり、もしも熱田神宮周辺ルートがなんらかのかたちで注目され、国内外から観光客が大挙訪れた際に、果たしてどう対応するのでしょう?当地を出身地としない「よそもの」の私だって、熱田が大好きですし、もっと注目を浴びてほしいとも思います。そのうえ、今よりも発展すれば喜びこの上ないのですが、ここが今や大都市・名古屋のひとつの地域でありますので、地元住民のみなさんの生活を第一にしたまちづくりを強く求めたいものです。
安全性とトラフィックで申すならば、たとえば国道1号の伝馬町〜熱田神宮南間を地下化する、両交差点(伏見通・大津通の本線)を立体交差化する、さらに南北交通においても伏見通に大型車を集中させ、神宮東門に面する大津通の車線を削る、などの取組です。神宮周辺で慢性的に発生する交通集中による渋滞対策に加えて、神宮南門から旧東海道までの徒歩によるトラフィックが確立しますので、旧宮宿との観光・文化面での往来が生まれ得ます。
名古屋市では七里の渡し跡を公園として整備、
本構想でもここを軸とした海上交通が模索されている。
(画像提供:熱田区地域力推進課)
あと、地図で見ると面的に見えますが、実際に歩くとひとつひとつがめちゃくちゃ遠いのです。たとえば神宮前駅から七里の渡し跡までで徒歩22分(1.5km)、熱田神宮から白鳥庭園までもまったく同じ距離であります。そのため、「周遊交通の運行」もアイデアのひとつに挙げられていますが、これは早期に実現の必要があります。小型バスでも良いので走らせれば周遊観光を促すことに繋がるはず。官民一体でぜひ一刻も早く実現するよう進めていただきたいと思います。
さらに、JR熱田駅が名鉄神宮前駅と熱田神宮から離れすぎていて、神宮前エリアにおける交通結節点としての機能を毀損している現状が窺えます。20年前から言ってるのですが、JR熱田駅を現状よりやや南側に移転して、名鉄神宮前駅の自由通路にコネクティングすれば、神宮東地区へのトラフィックも劇的に改善され(※現在のJR熱田駅に東改札がない)、かつ現在、「あつたnagAya」として暫定活用されていると思われる名鉄神宮前西街区の本格的な開発も促せるはずです。下掲の写真の通り、整備を完了させたという神宮前駅西口にもデッドスペースがあるなど、まだまだ開発余地があります。観光客のニーズという意味で広域集客を意識した高質かつ高感度なショップの誘致を目指しつつも、地域のみなさんが日々を豊かにおしゃれに彩るデイリーニーズをベースに据えたSCがこの地域のマーケットにはフィットするはずです。
名鉄神宮前駅西口に残されたデッドスペース。
左(東側)にはJR東海道線が走っている。
名古屋は開府以降、連綿たる「まちづくり」のフロントランナーでありました。それゆえ、新たなニーズを踏まえたまちの刷新が総じてやりやすいまちであると思います。
が、この熱田に関しては例外のうちのひとつといえ、名古屋最大の文化資源を持ちながら、その活用はかなりの茨の道であると強く認識をいたしております。
このビジョンを拝見して、大規模なハード整備抜きにしてこの案の実現は"はなから"無理でありますので、どのようなかたちで理想の具現化を図っていくのか、リアルな話し合いを期待いたしたい、このように強く念じておりますし、私もこの地を守り育ててくださっている地域のみなさんのためになるのであれば、できうる限りの知恵を絞ってまいりたいと思っているところです。
次の名古屋市関連の記事につきましては、先月に住宅都市局から発表されました、「久屋大通(南エリア)再整備構想(案)」について記してまいります。
久しぶりの栄の記事ということで力を入れて書き進め、来週を目処に公開を予定しております。どうぞご期待ください。
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