和歌山市のお隣、海南市に位置する「黒江」地区は戦災を含む数多の災害から守られ、江戸期のまちなみを今に伝えています。

きょうはここの素晴らしさをみなさんに知っていただきたく、記すことにいたします。



うるわし館。






まず、ぜひ立ち寄ってほしいのは観光案内所とショップを兼ねた「うるわし館」





時節柄の展示なのでしょうか、黒江夫婦雛が飾られていました。





当時、オリックスブルーウェーブの選手だったイチローさんに差し上げたという蒔絵バット。2本作って1本はイチロー選手に、そして残る1本がこの展示品。

本名が「鈴木一朗」さんで、実はこの海南市は「鈴木」姓発祥であるというゆかりがあるのだそうです。





当地は紀州漆器発祥地として知られています。いまの岩出市に位置する根来寺(ねごろじ)にそのルーツを持ち、紀州和歌山藩の庇護のもと、庶民が日常的に使える漆器として地域に親しまれていたのだそうです。幕末には蒔絵技法も確立され、その優美さから近隣の神戸が開港されたことを機に海外輸出もスタート、いまでは輪島塗や山中塗などとともに三大漆器に数えられるまでになりました。





和歌山県内の企業が開発した電動バイク「グラフィット」に紀州漆器の技法を用いて加飾したもの。

ちなみにここの3階では「蒔絵体験教室」も開かれています。お時間と絵心に自信のある方はぜひ体験にいらしてください。



 

〈紀州漆器伝統産業会館 うるわし館〉
和歌山県海南市船尾222
和歌山バス 黒江停留所より徒歩5分


黒江のまちなみ。





黒江のまちなみの大きな特徴はこのギザギザな道。「のこぎり歯のまちなみ」と称されるこの区割りは、もともと平行四辺形型の町割りに真四角の家を建てたことに由来しているのだとか。その三角のデッドスペースには台車などを置いて活用するという、当地の堅実な生活ぶりも窺わせます。





もうひとつがこの「くろめ桶」

漆の精製に使われていた桶を門口に置き、思い思いに飾ることでまちの風情と美観に一役買っています。

これをご教示いただいたのは、のちほどご紹介する「黒江ぬりもの館」の女将さんでした。

こういう知恵に触れると、当地のみなさんの地元への深い愛情を感じさせます。



黒江ぬりもの館。





そして「黒江ぬりもの館」でランチ。





「古き良き日に、おかえりなさい」

なんともやさしいメッセージじゃないですか。





こちらは江戸期から続く築160年の塗師(ぬし)の作業場だったという建物を使って、物販とカフェを営んでおられます。

私はこの構造から置屋か料亭かと思ってしまいましたが、それほど華のある建物です。ちなみにこの建物の歴史上、それらの用途には使われたことはないのだそうです。





こちらにも美しく雛人形が飾られています。





食前酒がわりに地酒「黒牛」の原酒をいただきました。





ランチはこちら。

生姜の佃煮乗せご飯、さんまの梅しそ春巻き、千切り大根の煮ものに漬物、お味噌汁がついて1100円。

身体にやさしいお料理で美味しくいただきました。





こちらも「くろめ桶」を使ってつくられたテーブル。飾られているのは和歌山城下の伝統工芸品・紀州てまりです。

色や模様が本当に煌びやかで、和歌山を訪れる方々の興味を惹くものとなっています。海外に出せばおそらく相当人気が出るのではないでしょうか。



 

〈古民家カフェ 黒江ぬりもの館〉
和歌山県海南市黒江680
和歌山バス 黒江停留所から徒歩8分


黒牛茶屋。





つづいて昔の酒蔵をリノベーションしてつくられた休憩スポット「黒牛茶屋」へ。





こちらは先にご紹介した地酒「黒牛」の蔵元・名手酒造店直営の物販・試飲スペースとなっています。





なんとこの席、実際使われていた酒樽を改造してつくられた席なのです。





日本酒と果実酒を色々いただきます。

同じ純米酒でも吟醸と大吟醸ってこんな水色が違うのですね!





梅酒と別の日本酒をいただきました。

ここの果実酒の果実味はほかの日本酒のそれとは比べ物になりません。

私は神戸の出身でありますので、地元・灘の銘酒も好んでいただきますが、やはり日本一大好きな清酒は姫路、そしてこの「黒牛」だと思っています!!





物販スペースには全国的には入手困難なラインもあるのだそう。

ぜひお立ち寄りの際には物販スペースも見ていただければと思います。



 

〈名手酒造店 黒牛茶屋〉
和歌山県海南市黒江846
和歌山バス 黒江停留所より徒歩11分


まとめ。





城下にあたる和歌山市はいわゆる太平洋戦争により市域のおよそ70%が消失、残念なことに和歌山城天守閣も含むほとんどの歴史的建築が灰燼に帰す結果となりました。しかし、和歌山市から本当に近い場所、それも紀州漆器で名を馳せたこの黒江地区は空襲の被害を受けず、往時の和歌山の繁栄ぶりを今に伝えます。






私の勝手な所感ながら記しますと、和歌山という風土は常に時代の先端を走ってきた、そういう印象を強く覚えます。それはただ単に二番煎じを良しとしないのか、新しもの好きなのか、そこまでは私の理解が及ぶ範囲ではありませんが、ただ、そのマインドが魅力あるオリジナリティに繋がっていることは確かな事実であります。オーバーツーリズムを礼賛する気はありませんけれども、こういう地域を知っていただくことは、わが国全体のブランディングのなかでとてもたいせつなのではないかと強く感じました。

最寄駅は海南駅か黒江駅、どちらからでも徒歩20分はかかります。車やレンタサイクルなら気軽に行けますが、いかんせん飲めない……となるので、公共交通機関を使うとなると和歌山市中心部からのバスが便利だと思います。「黒江」停留所もありますが、本数の多い「琴の浦」停留所を使えばまちの入口にあたる「うるわし館」まで歩いておおよそ15分。まち自体はコンパクトですので、軽く回っていただけると思います。ぜひ一度、ゆっくりと巡ってみられてはいかがでしょうか?




▶︎次回の記事は3/5(水)に公開します。



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