去る2月17日、中部国際空港(セントレア)は開港20年を迎えました。ちょうど20年前の平成17年(2005年)、愛・地球博開幕に合わせて、中部地方初の国際ハブ空港が華々しく誕生したのです。



そして20年を迎えた日から5日後に、悲願の2本目の滑走路の着工記念式典が行われました。



(出典:中日新聞)



これは新たな埋め立てを伴うものではなくて、現滑走路の東側にある誘導路を改造して「代替滑走路」とするものであります。ミニマムな工事にとどまることから工期も3年弱、令和10年(2028年)3月に供用開始を目指していて、その後は現滑走路の大規模改修を実施、これが完了したあとには2本の滑走路で離発着を使い分けるセミオープンパラレルによる運用が想定されています。また、連日の深夜時間帯における滑走路メンテナンスのためのクローズがなくなり、東京国際空港(羽田)や関西国際空港などと並ぶ、完全24時間空港が誕生することとなります。



セントレアの成り立ち。



(画像提供:毎日新聞)



セントレアの構想は昭和60年(1985年)に愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市と地元経済界で調査会を発足したことにはじまります。当時、西暦1988年の名古屋オリンピック招致に失敗し、失意のどん底にあったなかで、なんとかがむしゃらに前を見ようと、進もうとした、やはりここにも「ひとの力」を感じます。





海上につくられた国際空港といえば平成6年(1994年)に開港した関空が先輩格で、こちらは国主導の色合いが濃いものでありました。多くの方が誤解なさっておられますが、もっとも有力であった神戸沖の計画を覆して泉州沖をゴリ押ししたのは当時の運輸大臣であった塩川正十郎であります。たっぷりと国の予算を使った関空は3500mの滑走路1本を備えた空港に1兆5000億円もの巨費を投入できたわけです。それに対してセントレアは国の出資も受けてはいるものの民間主導の色合いが強く、運営主体の中部国際空港株式会社は国が約4割を出資するものの、名古屋市や愛知県などの自治体が1割、あと残りの5割は地元企業の出資で賄い、基本的に独立採算であったため、当初の総工費見込みは7680億円、つまり関空の半分の費用で同様のキャパシティの空港をつくる計画を立案しました。

同社のトップは初代から現在に至るまで民間企業たるトヨタ自動車から選出されており、「トヨタ流」の合理化が図られた結果、当初見込みよりも1500億円以上も低い5950億円でつくることができたのです。



長期低迷の理由。



実はセントレア、足元の就航便数や利用客数では「ひとり負け」と揶揄される低迷ぶりを見せていて、大いに心を痛めております。昨年(令和6年)の利用客数はコロナ禍前の令和元年(2019年)の半分にとどまります。




トヨタ自動車の名古屋オフィスが入居する、

名古屋駅前のミッドランドスクエア。



そもそも、この空港はアウトバウンドを当て込んでつくられているため、歴史的円安の煽りを受けて地元企業の出張需要を拾いきれず、かつ、当地はもともと訪日外国人客が相対的に多くなく、外国人利用が伸長することもないため、それが結果として出てしまっている。直近の令和6年のデータでは900万人台に回復していますが、羽田、成田、福岡などの後塵を拝する8位。その下には鹿児島・神戸と続きますが、自治体が建設・運営する第三種空港である神戸空港が今春から実質的に国際線を就航することにともない、鹿児島空港を抜き9位浮上が見えてきています。あくまで法的には地方空港たる位置付けであり、関空があることで手枷足枷が科された神戸空港と利用客数で逆転、というようなことが起きれば、目も当てられません。大いに知恵を絞らにゃーいかん(絞らないといけない)、ということであります。



本格的ハブ空港へ。



名古屋市を含む5市村に拡がる名古屋港。

臨港地区面積はバンテリンドーム896個分!

(画像提供:名古屋港管理組合)



名古屋港は日本最大の貿易港でありながら、神戸のような天然の良港ではなく、どちらかといえば、港になりえないような場所に無理やりにつくったという歴史があります。木曽三川(きそさんせん)と言われる、揖斐川・長良川・木曽川の3つの大河が伊勢湾に流れ込むことで海底に土砂が溜まり、定期的に浚渫をして使用しています。名古屋港沖に設けられている土砂処理場がもう満杯状態で、港湾運営にあたっての大きな課題であったところ、セントレアの拡張の話とうまく混ざり合い、沖合埋め立てが実現しそうな気配です。計画では名古屋港内の浚渫土が1800万㎥に加えて、土砂処理場に山積みになっている浚渫土2000万㎥、なんと3806万㎥のうち3800万㎥を浚渫土で賄う計画であります。これが実現した暁には新たな埋立地に第2滑走路が新設され、代替滑走路を第1滑走路に、現行の滑走路を廃止として、双方の滑走路から同時に離発着可能なオープンパラレル方式となります。



(出典:中日新聞)



日本の玄関口である羽田まで2時間圏内、およそ10年後にリニアが開通するでしょうから、そうなると1時間圏内にまで縮まり、旅客獲得は容易な道とはいえません。この地域の玄関口としてさらなる発展を遂げていくために何が必要か、空港機能にとどまらない、闊達な議論を強く期待いたします。



▶︎次回の記事は3/21(金)に公開します。



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