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鉄路で行く金沢旅行において旅の起点となるJR金沢駅は、アメリカの旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」誌において「世界で最も美しい14駅」に日本で唯一選出されています。


金沢駅のシンボル・鼓門は2005年3月に完成したもの。金沢の伝統文化である能楽の鼓のかたちをモチーフとしていて、高さは13.7mにも及びます。今回、夜のライトアップは見れませんでしたが、壮大なオブジェに映し出される光の演出も圧巻とのこと。


鼓門と駅舎の間には「もてなしドーム」。雨や雪の多い金沢で「駅を降りた人に傘を差し出す、もてなしの心」というコンセプトなのだそう。3019枚のガラスを用いた伸びやかな空間がつくられています。



「もてなしドーム」はバス・タクシー乗り場のシェルターと一体設計となっていて、交通広場全域の大屋根としての性格を持ちます。今でこそ駅前の歩行者空間の拡大が進められてきているものの、2005年当時にここまで機能的かつ贅沢な駅前デザインを確立した金沢市と設計事務所は素晴らしい!!


金沢駅コンコースは2015年3月の北陸新幹線金沢開業に合わせてリニューアルされています。整然と並ぶ12対24本の柱は駅のエントランスに位置する鼓門をモチーフに木目で整えられていて、そのすべてに金沢を中心とする石川県の伝統工芸品が展示されています。


こちらは能登の伝統工芸「輪島塗」。華麗さだけでなく総手数75〜124回に及ぶ職人の丁寧な手作業がもたらす丈夫さが高く評価され、今や漆器では揺らぎなきトップブランドとして世界に知られます。


こちらは同じ漆器でも加賀の「金沢漆器」。加賀藩の庇護のもと、中国から伝来したといわれる漆器にわが国固有の蒔絵の技法を用いて上品かつ繊細な美に完成させています。

このほかにも石川県の名工によるさまざまな工芸品が駅で鑑賞できます。



金沢駅高架下のSC「金沢百番街」は2021年にリニューアルが施されています。

ワンフロア7000㎡を3ゾーンに分け、こちらは食品をメインに扱う「あんと」です。

(出典:大鉄工業(株))


施工業者さんの画像をお借りしますが、これ、今まで見てきたエキナカとは全く別物!!デパ地下よりも洗練されていて驚きを禁じ得ませんでした。

駅は使用する材質指定が厳しいと聞いたことがありますが、厳しい条件下でよくここまでつくり上げたものです。

(出典:大鉄工業(株))


こちらは「あんと」向かいの「Rinto」のファッションゾーンです。お土産も買える広めのコンビニ・旅行社(日本旅行)と観光案内所がエントランス付近に配置されています。

ファッションゾーンでは大手セレクト〈シップス〉〈アーバンリサーチ〉2ショップのほか、〈ラシット〉(ハンドバッグ)、〈ダイアナ〉(シューズ)、〈キールズ〉(コスメ)などの人気アイテムショップが一堂に会しており、さながら都市部のファッションビルの様相です。同じく金沢駅前に位置する「金沢フォーラス」とともに、金沢市中心部のショッピングエリア・武蔵ヶ辻から需要を吸収しているのも頷けます。


石川県が開設している観光案内所ですが、イベントスペースを併設していてとにかく広いのが印象的です。観光案内のほか宿までの荷物の配送やチケット販売、また雨傘や長靴、車椅子の無料貸し出しまで対応する充実ぶり!!

ちなみにパンフレットは石川県内だけでなく北陸全域・長野・岐阜と揃っていて、県として広域観光の中に活路を見出そうとする姿勢が窺えます。たとえば京都の観光案内所に大阪や奈良のパンフレットさえ置かれていないわけで、当ブログをご覧の皆さんにはこれがいかに凄い事かお分かりいただけるのではないでしょうか。


「あんと」内には金沢を代表する飲食店が軒を連ねるストリートも設けられています。


地元人も大行列を成すのが能登牛を使ったステーキ・丼を供する〈金沢肉食堂〉

金沢市内で海鮮・肉料理店を7店オペレーションしている「(株)店とてん」の直営店です。


もったりせず、上品な脂が特徴とされる能登牛は出荷頭数が少なく、ほぼ県内だけの流通にとどまるという「門外不出」のもの!

そのため金沢を訪れる食通は海鮮よりも能登牛を食するといわれるほど、実は隠れた美食だったりします。


「能登牛の赤身丼」(2500円)を、地ビールの「金沢百万石ビール」とともに頂きました。

到着後、また出発前に駅で気軽に地元の美食に出逢えるのは凄く良い取組だと思います。


金沢駅は単に美的感覚に秀でた駅舎にとどまらず、トラフィックの結節点としての利便性、また観光客と足元商圏の双方のマーケットをバランスよく捉えた秀逸なSCを備えたという意味で、わが国にこれまでにない最高の駅空間が完成したと言っても過言ではないでしょう。


次回はいよいよ金沢市内の観光地散策レポートに入っていきます。



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