先日、人事課から2人の課長の、

「365度評価」の依頼がありました。

 

365度評価というのは、

人事評価の一手法で、上司、部下、同僚、

さらには自分自身も含めて評価を行います。

360度評価にさらに、

自分自身の評価を加えることで「365度」としているのです。

 

上司が部下を評価する、

一方通行の人事評価とは異なり、

立場や関係性の異なる複数名の人から評価されるため、

「より現実に即した評価」ができるとされています。

 

この365度評価、

会社にとって2つの目的があると思います。

 

1つは「評価の公平性」

上司が部下を評価するだけの場合、

どうしても上司の好き嫌いといった

主観的な要素が影響してしまいます。

 

その点、

360度評価は立場が違う複数の人たちから評価されることで、

より公平で客観的な評価が可能です。

 

評価者は原則匿名での評価なるため、

率直な意見を言うことができ、

より現実に近い評価を得ることが可能です。

 

2つ目は「マネジメント層の育成」

360度評価はマネジメント層の育成に、

高い効果があるとされ、

マネジメント層を目指す社員に行われるケースが多いです。

 

マネジメント層を目指す社員は、

一般社員からも評価されることによって、

自分のマネジメントとして何を重視すべきか、

改善点や方向性を知る貴重な機会となります。

 

そうした知識を持ったマネジメント層が育成されていけば、

上司や部下、同僚どうしの信頼性の向上といった効果が期待でき、

円滑な組織運営が可能とされています。

 

特に会社としては、

「マネジメント層の育成」を目標に、

365度評価を導入することが多いのでしょう。

 

近年「終身雇用」「年功序列の昇進」が崩壊し、

「起業・転職・副業」の意識が高まり、

「働き方」の意識が変化してきています。

 

会社にとってリスクなのは、

有能な社員が退職することです。

そのリスクを軽減するためには、

「気を配れるマネジメント層」が必要です。

 

そのような社員の発掘と育成の一つの手段が、

365度評価だと思います。

 

個人業績を重んじるイメージのある、

有名な外資系ファンド企業も、

チームワーク強化のため導入している企業もあります。

 

また、あるIT企業は実名で365度評価を行い、

組織の活性化に成果を上げている企業もあるようです。

 

「365度評価」

今後も導入する企業が増えるのでしょう。