先日、ある取引先の取締役の方とお会いしました。
この取引先は従業員が約百名の会社で、
昨年12月に上場企業によってM&A(合併・買収)されました。
取締役の方の話によれば、
一年前にはM&Aの可能性など夢にも思わなかったそうですが、
昨年末から怒涛のような期間を経て、
M&Aによる買収が実現しました。
さらに、M&Aされた親会社から、
社長と副社長が送り込まれました。
この2人は取締役の方よりも年下であり、
「会社の方針転換」に戸惑いを感じているようでした。
私は、取締役の話しを聞きながら、
「会社が潰れなくて良かったですね」
と思いました。
現在の経済状況や社会的環境変化では、
いつ会社の経営が傾くかわからない不安定な状況です。
その中で、
「経営層」は会社のリスクをいち早く察知し、
適切に対応する必要があると思います。
結果的にこの取引先の経営層は、
リスクを適切に評価できなかったのです。
M&Aで事業譲渡したくても、
それが叶わず倒産する会社もあります。
上場会社にM&Aされたことは、
むしろラッキーだったかもしれません。
さらに従業員にとっては、
上場企業のグループ会社になることで、
「待遇面」などが良い方向に変わる可能性があります。
M&Aは社員の立場によっても、
捉え方はまちまちです。