戦争を考える日 | 面白きコトも無き世を面白く…するのは自分の心意気
原爆投下から74年

74年前の今日。
午前8時15分、広島に原爆が投下されました。


以前、日銭ぎをしていた居酒屋での出来事です。

いつものんびりしてる常連のおじいさんがいつものようにカウンターにいらっしゃいました。
その日だけはどういう訳かひどくお怒りのご様子でお酒を呑んでいました。
その日はあまり忙しくなかったため、少し気になってそれとなく声をかけると、そのまま自然と私が話し相手になりました。

話を聞くと、楽しみにしていた話題の舞台を観に行ってきたそうなんですが、その内容に憤慨していました。

「あんなんじゃない!!」
その怒り方は普段の常連さんではありませんでした。

なんでも戦争を題材にした話題の舞台だったようです。
しばらく舞台への怒りを口にしたあと、今度は自分の話をしてくれました。

その方は当時、特攻隊員として召集をされ、鹿児島の知覧に向けて飛行機に乗っていたそうです。
その時、原爆投下直後の広島上空を通過し、衝撃を受けたとおっしゃっていました。
そして特攻隊として出撃する前に終戦を迎えられたそうです。

特攻隊はほぼ確実に死を迎える部隊です。
その部隊へ配属になった方が原爆によって無惨にも吹き飛んだ広島を目にしたとき、一体どんなことを思われたのか私には想像もつきません。

ただ、普段は穏やかな常連さんのあの顔を思い出すと、名もない役者として舞台に立つこともある私ごときでも、『戦争』と言うモノに向き合うときは覚悟と可能な限りの勉強が必要だといつも思うのです。
その日以来、それは私の中で芝居に関わらず、生きていく中での重要な約束事になっています。

この常連さんが一番怒っていたことは

戦争を美化する表現

があったことでした。

これは戦争を知らない世代が今後も肝に命じて気を付けなければならないのではないでしょうか。

この話は以前もこのブログに書いた事があるかもしれませんが、戦争を考える時にはいつも真っ先に思い出します。
この常連さんは高齢のため、その後しばらくして亡くなってしまいました。
私はあの時、お話を聞くことができて本当に良かったと思っています。
これから、その当時を知る方がどんどん少なくなってしまいます。
知ることが出来るうちに、直接聞くことが出来るうちに、そんな機会があるなら是非自ら触れに行くことを強くおすすめします。

そしてこの時期は『戦争』に関する番組などもテレビで多く放送されます。

先日、

『この世界の片隅に』

と言う映画を改めて観る機会がありましたが、是非機会があれば一度鑑賞してみてください。

『反戦』をテーマにした作品は世に沢山ありますが、何気ない日常生活の中に『戦争』がズカズカ入り込んでくる怖さを描いた戦前から戦時中、そして終戦までの日本を丁寧に描いた作品です。

戦火に翻弄される兄妹を描いた『火垂るの墓』とも違った戦争の恐ろしさを感じることが出来ると思います。

絵柄や戦争が激化するまでの日常がほのぼのしているだけに、戦争の色合いが濃くなってからはそのすべてが容赦なく壊されていく様が突き刺さります。

どんな形でもいいのでこの時期は『戦争』について自分なりに学ぶ機会を作ってみてはどうでしょうか?

原爆投下から74年の年月が経ちましたが、何年経とうと忘れず、学ばなければならない事があるといつも思っています。

それでは本日も熱中症と台風にはくれぐれも気を付けて水分補給忘れずにいきましょー(^-^)