中国進出企業の撤退を困難なものとしている要因とは…。
まず中国では、法については、その定めはあっても往々にしてザックリしたものに留まり、ことが円滑に進むかどうかは現場の裁量、さじ加減次第ということです。つまり事を円滑に進めようと思えば、相当な配慮と時間が必要となってくるということです。
なかでも外資系企業の撤退については、担当する地方政府の役人を口説き落とすことは至難のわざになっています。なにしろ、それは「税収」や「雇用」を減らすことに繋がり、まんま地方政府にとっての「失点」であり、中央から睨まれるからです。
撤退手段には「解散」や「清算」、「破産」などありますが、もっとも無難な撤退手段は合弁パートナーへの「持ち分譲渡」です。会社が存続しますからね。
ただし、当たり前のように買いたたかれます。2015年、カルビーの場合、持ち分は51%でしたが、譲渡価格はたったの1元だったと言います。
また会社設立時に定めた経営期間(一般的に製造会社50年、販売会社20~30年)を違えた撤退だと、設立時の優遇措置によって得た利益の返還を求められます。
そしてとにかくリスクが高いのが従業員です。告知段階でも、少しでも不十分、不満足な点があればまず暴れる。そして極めて利己的な国民性から法外な「補償金(解雇手当)」を要求されるのは当たり前、応じなければこれまた大騒動です。撤退がとん挫しかねません。
さらにはメディアです。日ごろから反日憎悪を煽る官製報道機関ですから、対応を誤り、へたな撤退を始めれば、ただではすみません。
こうした煩わしさやコストなどを嫌い、非公式な形での撤退、つまり「夜逃げ」したのが韓国企業です。特に2010年前後の韓国中小製造業の撤退ラッシュ時には、賃金や借金を踏み倒して去る事例が数多く見られました。これ以降、中国政府や労働者による外資系企業への警戒感が高まり、撤退が一層困難となっているのです。
中国においてはかつては「賄賂」が、このような事態を解決してくれました。
現場の裁量権が大きい中国では、担当官に賄賂を渡して融通をきかせてもらう。それで万事うまくいく。賄賂が通行手形、あるいは潤滑油となって世の中がスムーズに回る。すべてがそういう社会、悪弊、悪徳で成り立つお国柄といってもいいでしょう。
しかし習近平が「腐敗撲滅運動」を行うに及び、うかつなことはできなくなり、その分官僚のモチベーションも下がり、法の運用も杓子定規なものに変わりました。法の作りが粗いだけに、現場の柔軟な対応がない中、そこら中でボトルネックが生まれ、すべてが停滞する、そんな風になってしまったのです。「奥の手」の賄賂は、接待攻勢も含め、封じられたということです。
そんなこんなで相当の覚悟と準備をもって撤退に臨まないとにっちもさっちも…というのが、今日の中国からの撤退事情ということです。これに直面し、なかなか撤退に踏み込めない、そんな企業が多数存在する。現状はこんなところでしょう。
いよいよ共産主義加下での市場経済政策導入の矛盾が露呈し、またきれいごとでは回らない生来の悪徳社会なのに、これを腐敗撲滅と称して習近平が壊し、経済の底が割れ始めています。政府統計はまったく信用できず、経済の規模も、成長スピードも、失業率も大きく偽っているであろうことは周知の事実です。
人民においても就職難、賃金未払いの拡大、多数の労使紛争や企業倒産、そして数多の暴動などから、中共政府の嘘や誤魔化しはバレバレです。それだけに人民の怒りの矛先が中央に向かわないよう、監視強化や言論抑圧、反日憎悪プロパガンダにやっきになっているのです。
もはや日本企業が、そんな破綻と危険しかない国に留まり続ける理由も、ましてや新たに進出する理由もありません。むしろ一刻も早く日本人社員とそのご家族を引き揚げさせないと、彼らを更なる不幸が襲うのは必定です。それこそ経営責任が問われるでしょう。
撤退に法外な手間とコストが掛かろうと、ここは中国進出企業には即刻決断していただきたいところです。すでに撤退した企業も、おそらくはそうしたレベルの決断をされたのでしょう。
高市政権誕生により日本経済の風向きも180度変わりつつあります。総じて内需復活、需要超過の構図です。これまでのデフレ脳、自由化脳を切り替え、日本企業の経営者には国内回帰と積極的な国内投資に臨んでほしいものです。
本年最後の投稿となりました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来年は1月中旬ごろから始めようと思っています。どうぞよろしくお願い致します。