子や孫世代の幸せを願って

子や孫世代の幸せを願って

次世代の幸せを願って、日本の社会、経済について考えます。

ご承知の通り、この4月から自転車にも青切符(反則金制度)が導入されました。

端的に言えば、「自転車を歩道から追い出す」措置です。

これ、皆さんはどうお感じになっているのでしょうか。

 

 

車も自転車も走らせる私には、「危ない!」、その一言です。

 

 

車目線で言えば、車道を走る自転車は怖くてしようがない。子どもさんを乗せておられる自転車なら尚更です。自転車目線で言えば、車道を走るとかなり怖いし、運転の邪魔になってるだろうなとも思うし。

 

 

それなのにどうして自転車を車道に追い出そうとするのか。

 

 

それは近年の「歩道での歩行者事故の増加」を受けた対応ということのようです。

 

 

 

このグラフからわかるように、「自転車と車の事故は減っている」のに、「自転車と歩行者の事故は増えている」。だから自転車を歩道から追い出せば「歩行者との事故だけ減る」…そんな風に考えたという事なのでしょう。

 

 

でもそんなうまい話しは無いと思いませんか?

 

 

そもそも自動車と絡む事故が増えないのは、車両(軽)であっても自転車の歩道走行を黙認し続けたことが大きいはずです。車道に自転車が少ないせいで事故も少ない。

 

                                                                                                               

その一方で、自動車に対しては、飲酒運転の厳罰化取締り強化をしたこと。また自動車の安全性能が向上したこと。それにドライバーの安全意識が高まったことも大きいでしょう。これらが相まって自動車事故が減ってきたのです。

 

 

                             【nippon.comより】

 

 

私などもYou Tubeで、小1ぐらいの女の子が、横断歩道で停車してくれた車に、渡る前だけでなく渡った後でも、いちいち丁寧にお辞儀を返す動画などを見ると、身が縮こまる思いをしたものです。その後、横断歩道をかなり意識するようになりました。

 

 

ですので、「対歩行者の事故が増え、対自動車の事故が減少傾向にあるから自転車を車道に追い出せば歩行者を守れる」というのはあまりに軽率な判断だということです。今度は対自動車の事故が増えることが目に見えています。

 

 

さて、最初のグラフにもう少し目を凝らせると、平成28年を底に、そして令和2年から再び自転車と歩行者の事故が増えていることがわかります。

 

 

平成28年(2016年)は、国が「環境負荷の低減」「災害時の交通手段」を目的に「自転車活用推進法」を作り、国民に強力に自転車利用を働き掛けた年でした。

 

 

我々も、東日本大震災で被災帰宅困難を目の当たりにしていたことや、健康・環境意識の高まりもあったことから、こうした動きをすんなり受け入れたのです。

 

 

そして令和2年(2020年)は、言わずと知れた「コロナ」です。少なからずが「密を避ける移動手段」として自転車を漕ぎ始めました。

 

 

この間「アシストサイクル」の性能も飛躍的に伸びました。坂道を上がるのも、子どもさんを乗せるのも、かなり楽になったのです。これは平成20年(2008年)の道路交通法改正で、アシスト力がそれまでの最大2倍にまで規制が緩和されたことによります。

 

 

つまり自転車の数が、国の方針や災害対策、健康ブームなどに乗り爆増する中、それがそのまま歩道を走っているので歩行者との事故が増えたということです。

 

 

自転車の利用者にしてみれば安全上当然の選択でした。翻って自転車が車道に出ない分、自動車との事故数は増えず、むしろ自動車事故全体の減少に合わせて減少していったということです。

 

 

確かに歩道を走る自転車を減らせば歩行者との事故は減るでしょう。でも今度は自動車との事故が増えかねません。そもそもそれを避けるために歩道通行を認めてきたのではありませんか。

 

 

それに自動車免許を取得していない自転車利用者は交通法規など知りません

常識的なものならいざ知らず、これが違反なの?という事案で「反則!」と言われても、「ハア⁉」てなもんでしょう。

 

 

こんなことで「交通秩序」(道路交通法などのルールに従い、事故や混雑を防いで安全かつ円滑に通行が行われる状態)が保てるのでしょうか。自転車を車道に追いやれば、いたずらに交通停滞を招き、取り返しのできない事故を増やすだけではないでしょうか。

 

 

歩行者との事故を減らすには、自転車を車道に追い出すのではなく、歩道走行を認めたまま、今回のように罰則や取締を強化する。

 

 

そして、学校教育交通法規交通マナーの習得を徹底し、テストを設け、その修了を卒業条件とするなど長期的な対策を打つ。

 

 

これを知らないと、守らないと罰則が適用がされますよと少々脅しめいたコピーを使いつつ、自転車利用者一般に向けに交通法規やマナー順守の発信を増やし、学ぶ機会を増やす

 

 

一旦はこれで様子を見、それでも事故件数が減る様子がなければ、いよいよ「自転車免許」導入…。こんな感じの方がいいのではないでしょうか。

 

 

現在の日本の車道には、自転車を安全に走らせる空間がほとんど用意されていません。道路は狭く、自動車レーンがある道路などほんのわずかです。

 

 

こうした状況は一朝一夕には解消できません。これまでが緊縮財政で、道路の白線や標識すら消えかけで放置されてきたのです。安全空間と呼べるものを設けるには相当の時間が掛かるでしょう。

 

 

事故の統計とは別に、安全空間がほぼ無いという点からも、自転車を車道に追い出すなど、言い過ぎかもしれませんが狂気の沙汰です。

 

 

とりあえず今回の罰則強化、取締強化を通じて「なにが罪になるか」を徹底周知する。これまでも「交通法規やマナーの周知」は行われていたのでしょうが、ちっとも国民には届いていませんでした。

 

 

それは順守しないと罪になるという緊迫感がなかったからです。ただきれいごとを並べられても誰も聞きません。

 

 

今回「青切符」まで踏み込んだのなら、自転車の歩道通行を認めたまま、改めて周知を仕掛けるべきで、慌てて自転車を車道に追い出すことは避けた方が良いように思います。

 

 

皆さんはいかがお考えになるでしょうか。