夫婦善哉⁉(7) 硬貨って、錬金術⁉
前回は、国債は借金といって問題にするのに、日銀券、つまり紙幣も借金なのに、こちらは問題にしない。変だね。それなら国債も問題視しなければいいのにっていう話でした。今回はその続き。
(私)「ほんなら、もう一つみんなが知らんおカネの話をしょうか。」(フフン)
(妻)「またフフンかいな。今度はなんやのん。」
「今度は100円玉とか硬貨の話や。」
「硬貨も紙幣と同じように借金なんやろ?」
「それが違うんや。」
「えー、なんでやのん。同じおカネやん。」
「硬貨はどこが発行してる?」
「えー、日銀ちゃうのん?」
「この100円玉見てみいな。日本国って書いてるやろ。これは日銀やなくて日本政府の発行や。」
「ほんまや。そうやったんや。」
「肝心なんはここからや。この硬貨、政府の借金やないんやで。こいつは資産なんや。」
「どういうこと?」
「政府は、まさに錬金術みたいに、何もないところからポッとおカネを産むことができるんや。日銀券のような負債やなく本物の財宝をな。」
「自分で資産を生むことができる…ということは、政府は自分で丸儲けできるゆうことやね。」
「そういうことや。まんま儲けや。正確には硬貨の製造費用を引かなあかんけどな。この儲けを『通貨発行益』って言うんや。いわゆる『シニョリッジ』っていうやつや。」
「し尿…⁉」
「し尿やない、シニョリッジ! 昔のフランスの封建領主、すなわちシニョールが自らおカネを発行して、儲けていたことから来てるんや。」
「日銀券には発行益はないの?」
「日銀券にも一応あるよ。日銀券は無利子負債。日銀は国債や貸出金と引き換えに日銀券を発行してるので、その利息から製造費用を引いたもんが発行益になるんや。そやけど発行益という意味では硬貨のほうがわかりやすい。なにしろ造ればそのまま資産、そのまま利益やから。」
「そういうことやったら政府も国債発行やなくて、硬貨をいっぱい造ったらいいのに。」
「そやねんけど。100円玉や500円玉で政府の予算を賄うのは、数量的にも問題が多いやろな。でもこうした考えをもとに、例えば『1兆円玉』を造って…みたいな話はあったようや。
今の法律では発行できる硬貨の種類が決まっているから、すんなりは無理やけど、それでもなんとか1兆円玉を発行して、日銀の政府口座に入金し、需要拡大政策の財源にしたら、政府の借金を増やさずデフレ対策が打てる…みたいな。
さらに言えば、なにも硬貨やなくても、政府発行の『政府紙幣』を出したらどうかという話もあった。硬貨と同じで、こいつも最初から資産やから借金問題になれへん。アメリカの有名な経済学者のスティグリッツも言うたはったしな。」
「そんな話あるんやったら、やればいいのに。」
「こうした話をすれば、必ず出てくるのが政治家の暴走話。おカネがなんぼでも出せるとなったら、政治家が私欲や保身のために大衆に迎合し、でたらめにカネばらまいて、経済や物価、財政を滅茶苦茶にしよるという決めつけ話や。おカネの管理が日銀に任されてるのは、そういうことや。
せやけど、デフレのなかで財政健全化やるほうが暴走や。狂っとる。そのせいで経済成長の芽がことごとく摘まれてしもた。とにかく財務省は、こういう類の話は、これまでの嘘や出鱈目がばれるからまずいということで、すぐ消しにきよる。」
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「腐っとるな財務省。『中村主水』呼んでこなあかんなぁ。」
「必殺かいな、古いなー。」
次回に続きます。