日本計画⑥ 東京裁判(1) | 子や孫世代の幸せを願って

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日本計画⑥ 東京裁判(1)

 

極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判は1946年5月から始まり、1948年11月まで行われました。

 

当時「侵攻」(※)は国際法上の「犯罪」とはされていませんでした。いかなる国も「交戦権」を有しており、その行使は合法とされていたのです。

 

※当時aggression(=unprovoked attack:挑発されていないのに起こす攻撃)を「侵略」と和訳していたが、「侵略」には不当な略奪行為を含むニュアンスがあるので「侵攻」と約すのが正しい。(青山学院大学名誉教授 佐藤和男氏)

 

確かに1928年のパリ不戦条約において侵攻は「国際不法行為責任(原状回復または損害賠償)」を負うとはしましたが、あくまで「不法行為」であり、「犯罪」ではありませんでした(「犯罪」とするなら予めなんらかの刑罰法規の定めが必要です)。そのうえ、その戦争が「自衛」か「侵攻」かは、当事国が「自己解釈」できるとされていたのです。

 

しかし東京裁判では問答無用で日本の侵攻と決めつけました。真実は、これまで本ブログで述べてきたように日本が米国に嵌められて始まった日本の自衛戦争でした。

 

通常、非戦闘員殺傷、俘虜虐待などの国際法における「交戦法規違反」をもって「戦争犯罪」とし、その違反者は裁かれます。侵攻は犯罪ではなく、その責任を問うのも国であり、個人には及ばないとするのが当時の常識でもありましたが、自衛戦争を侵攻とし、しかもそれは犯罪だと強弁し、あろうことかその責任を個人に問うという、ありえないことが行われたのが、東京裁判でした。

 

過去に例のない「平和に対する罪」「人道に対する罪」などを持ち出し、東条英機首相以下各個人の戦争責任を問うたのでした。

 

そもそも勝者が敗者を裁く、それまでの戦争にはなかった異常な裁判の上に、予め犯罪内容とそれに対する刑罰を規定する「罪刑法定主義」という司法の常識に反し、また「ポツダム宣言」や「降伏文書」に違反し、「平和に対する罪」などをもって「事後法」(事後に定めた法令の遡及適用で違法処罰すること)を強行した違法極まりない裁判だったのです。

 

侵攻の定義については、「挑発されていないにもかかわらず、攻撃する」というものがあります。その意味では、米国による「日本人資産の凍結」「対日石油輸出禁止等経済封鎖」「ハル・ノート」などは完全なる「挑発」(当時の国際法上でも「宣戦布告」に相当するともされる)にあたり、それを受けて立った日本は、やはり侵攻ではなく自衛のために戦ったということになるのです。

 

いずれにしても、賠償金や領土返還、割譲をもって敗戦国がその責任を負うという当時の常識でしたが、それを覆し、東京裁判は、戦争を指導した個人の責任を追及しました。

しかしそうであるなら国家元首である天皇は罪を問う対象から外しようもないはずなのですが、最初から外していたのです。

 

こうした矛盾だらけの東京裁判は、これまで述べてきた「日本計画」を実行しようとした結果にほかなりません。それが既定路線であったがゆえに、1945年9月2日の「降伏文書」調印直後から戦争犯罪人の逮捕を始めていました。

 

あくまで日本が侵攻したのは軍部や関係幹部の暴走であり、騙され裏切られた天皇や国民はその被害者。それを正し、救うべく登場したのが正義の米軍という構図です。日本国民を「分断」する一方で、米国はじめ連合国側の戦争責任が問われない算段です。

 

実際の裁判においても、交戦法規違反の限りを尽くしたはずの米軍やソ連軍の戦争犯罪は一切不問に付されました。誰が見ても原爆を含む米軍による無差別爆撃は戦争犯罪であったのに、それを相殺し、誤魔化す為に、「20万人以上虐殺」というやってもいない「南京大虐殺」をでっち上げたのもこの裁判でした。

 

1946年4月29日、わざわざ天皇陛下の誕生日に東条英機首相ら28人を「A級戦犯」(平和に対する罪)として起訴し、1948年12月23日の皇太子殿下の誕生日刑の執行を行いました。どこまでも日本を見下した下劣な行為を行いました。

 

この東京裁判において、彼らの言う「太平洋戦争」の実態、米国がどういう気分で戦いに臨んだかが露になる瞬間がありました。

それは主任検事ジョセフ・キーナンが述べた、今次の日本の行為は「文明に対する挑戦だ」という冒頭陳述です。それは、実はこの戦争は、米国のマニュフェスト・デスティニー[未開人(日本人)を「文明化」させるという神から与えられた使命]による西進征服行為、つまり差別意識満々の身勝手な理由による覇権戦争だったと図らずも暴露してしまったのでした。

 

こうした東京裁判をキーにして米国のウォーギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP等が展開され、「日本計画」のとおりに日本の衰亡へと事が進められていくのです。

 

次回に続きます。