日本を自壊させる「日本計画」② | 子や孫世代の幸せを願って

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日本を自壊させる「日本計画」②

 

 

フランクリン・D・ルーズベルト大統領は、諜報・宣伝活動に長けたナチスに対抗すべく、それまで有していなかった情報機関OCI(情報調整局)を1941年7月に設立しました。

それが1942年6月にOSS(戦略情報局)OWI(戦時情報局)に分かれます。

さらに1945年8月末、トルーマン大統領により解散となり、OSSはCIA(中央情報局)にOWIはUSIA(米合衆国情報局)に引き継がれていきます。

 

OCIは、その組織目的から諜報・情報戦を仕掛けることで日本軍を攪乱したり、その士気を挫く活動をするのは当然としても、驚いたことに日米戦争直後から米国の軍事的勝利を前提とした「心理戦略による日本国の衰亡計画」、即ち「日本計画」を立てていました。米国が敗れるとは露ほども思っていなかったのです。

 

それがOSSに引き継がれます。OWIは主にホワイト・プロパガンダ(公式情報による宣伝戦)を担いましたが、OSSはブラック・プロパガンダ(偽情報による宣伝戦)とともにこの「日本計画」を担当しました。

 

OSSは、諜報・情報戦の専門家のみならず、日本の弱点を探るために、全米中から様々な分野の優秀な学者や研究者を集め、組織化されました。そして「二度と米国に逆らえない国にする、その衰亡を図る」というOCIの「日本計画」を深掘り、肉付けしていったのです。

 

ここで浮き彫りになったのは、「神話に繋がる天皇と国民との強い結びつき、神国日本という日本人の伝統的・封建的な思想・文化とそれに根差す国民性が、強い愛国心と軍国主義を生み、他国を侵略、戦争を拡大させた。」ということでした。

 

これが日本が他国を侵略した原因であり、また日本軍の底知れない強さの秘密であるとしました。

 

天皇統治をめぐる伝統的思想・文化や天皇と国民の強い結びつきはともかく、明治期に欧米に引けをとらない近代化を果たした日本を封建的とし、さらにそれが軍国主義や侵略、戦争に繋がっていくというのは的外れも甚だしい分析です。

 

彼らには「君民共治」が理解できず、天皇による統治は、専制君主制や絶対王政としか見えなかったのでしょう。それにしてもよくここまで自分達、欧米列強がやってきた侵略、虐殺、奴隷化、抑圧的植民地支配などを棚に上げられるものだと呆れます。日本が野蛮な軍国主義というなら欧米列強はまさにその権化ではないですか。

 

兎にも角にも彼らの結論としては、日本の弱体化を図るには、「天皇統治に疑念を抱かせ、天皇と国民の間に楔を打ち込み、封建的なその伝統思想・文化を砕き、国民性を改変することが必要だ」ということになったのです。

 

 

 

次回に続きます。